スイスNeurimmune社と神経変性疾患領域で新たな創薬提携契約締結 小野薬品

 小野薬品は17日、Neurimmune AG社(スイス、チューリヒ)と創薬提携契約を締結したと発表した。創薬提携契約は、Neurimmune社の抗体創出アプローチ技術であるRTM(Reverse Translational Medicine)を活用し、神経変性疾患領域における新たな創薬標的に対する抗体医薬品の創製を目的としたもの。
 RTM技術は、Neurimmune社独自の高速スクリーニング法で、老化プロセスにおける健常高齢者など特定の集団が保有する病原性タンパク質に対する免疫応答機構を応用している。同技術により、ヒト白血球細胞より得られた遺伝子情報を活用し、選択的な高親和性の候補抗体を取得することがでる。
 Neurimmune社のヒトモノクローナル抗体は、人類が進化の過程で獲得した免疫機構に由来する抗体であり、ヒトの体内で最適化されているため、ヒトでの卓越した有効性と安全性を提供できると考えられている。
 小野薬品とNeurimmune社は、2017年11月に同領域での創薬提携契約を締結し、RTM術を活用してヒトモノクローナル抗体の創製に取り組んでいる。
 今回の創薬提携は、新たな創薬標的に対するヒトモノクローナル抗体の創製を目的としている。
 小野薬品は、創製される抗体医薬品を全世界で独占的に開発、商業化する権利を保有する。また、同社は契約一時金をNeurimmune社に支払うとともに、提携期間中の研究資金、研究開発の進捗に応じたマイルストン、および上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。

◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員 研究本部長のコメント
 当社は、これまでの創薬プロジェクトを通じ、Neurimmune社の抗体創出技術であるRTM™を優れた技術として高く評価している。今回の新たな提携を通じて、当社の中枢神経系疾患ポートフォリオを拡充し、神経変性疾患の患者さんに革新的な医薬品をお届けできるように取り組んでいく。

◆Neurimmune社最高科学責任者のJan Grimm氏のコメント
 我々は、革新的な医薬品の創製に取り組んでいる小野薬品とのパートナーシップを拡大できることを非常にうれしく思っている。
 この新たな提携により、我々のRTM技術を駆使して神経変性疾患領域における革新的な医薬品の創製を目指す。

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