コロナ禍の長期化で3人に1人が「身体的健康」「精神的健康」に悪い影響と回答 ワーカーの働き方・働く環境意識調査

 オカムラは、2020年から続くコロナ禍におけるワーカーの働き方や働く環境、意識の変化について約3000を対象にインターネット経由で調査した「働き方・働く場の変化に関する調査 2021データ集」を公表した。調査結果では、コロナ禍の長期化で3人に1人が「身体的健康」「精神的健康」に悪い影響と回答。。また、「個人作業」については、約4割がリモートの方がはかどるとする一方で、「ちょっとした相談」については5割弱が「オフィスに出社した方が良い」と答えていることなどが判った。
 新型コロナウイルス感染症拡大により、多くのオフィスワーカーがリモートワークなど働き方の変更を余儀なくされた。2021年9月の緊急事態宣言解除後も、新型コロナウイルス感染症拡大防止を考慮した働き方が続いている。
 こうした中、オカムラでは、2020年よりコロナ禍での働き方に関するアンケート調査を定期的に実施している。今回は、2021年4月に出された緊急事態宣言下である2021年7~8月に、首都圏・中京圏・関西圏・福岡県の従業員100名以上の企業の正社員3000人にアンケート調査を実施した。
 2020年から続くコロナ禍をきっかけとして、働き方や働く環境、意識がどのように変化したのか、仕事の効率や働く場に与える影響、身体的・精神的健康に与える影響を調査し、その結果と考察をデータ集としてまとめた。主な調査結果の概要や詳細は、次の通り。

【調査結果の概要】

・コロナ禍で働く状況が長期化し、働く場所がオフィス以外にも広がることにより、個人作業はリモートワークの方がはかどり、ちょっとした相談はオフィスに出社したほうがはかどるといった仕事の内容に応じた作業効率の違いがあることが判った。

・オフィスの運用方法も変化しており、固定席での運用が減少し、グループアドレスやフリーアドレスなど座席を選んで使用する運用方法が増えている。コロナ禍後、固定席を望む人の割合は回答者全体の半数以下になっていた。

・コロナ禍で働く状況の長期化が健康に与える影響について、3人に1人が身体的・精神的に悪い影響を受けたと感じている。その影響を与える要因として、身体的健康は、リモートワークを行うにあたり自宅の作業環境が整っていないという働く場所の整備が影響している傾向がある。精神的健康は、メンバーとの感情共有や孤独・不安が要因として挙げられ、離れた場所で働くメンバーとのコミュニケーションの取りづらさが影響していると考えられる。

・コミュニケーションの取り方については、部下、上司、自部門のメンバーのどの相手であっても、業務の進捗状況の把握・報告はメールやチャットが多く、生活面や心身の状態は雑談などの会話から把握することが多いことが判明した。

 なお、データ集では調査時点でのワーカーが考える今後の理想的な働き方や出社率などを紹介している。
https://www.workplace.okamura.co.jp/solutions/download/

【調査結果の詳細】

1.働く場所のとらえ方の変化

・「個人作業」については、約4割がリモートの方がはかどるとする一方、「ちょっとした相談」については5割弱がオフィスに出社したほうがはかどると回答。

・座席の運用方法の変化について、コロナ禍前後で「固定席」で運用している人の割合は減少しており、「グループアドレス ※2 」や「フリーアドレス ※3 」の運用の割合が増加している。コロナ禍後、固定席を望む人の割合は回答者全体の半数以下になっている。

※2 チームやグループ、部署ごとに働くエリアが決まっており、自分の所属チーム・グループに割りあてられた座席から1つを選ぶ

※3 一人ひとりが固定した席を持たず、空いている席やオープンスペースを自由に使う

2.コロナ禍での心身の健康

・回答者の約3人に1人が、コロナ禍の長期化が自身の「身体的健康」「精神的健康」に悪い影響を与えていると感じている。

・身体的健康について影響を与える要因(仕事に関するもの)は、「自宅の作業環境が整っていない」が最も多い。

・精神的健康について影響を与える要因(仕事に関するもの)は「メンバーとの感情共有が難しくなった」、次いで「孤独や不安を感じる」が多い。

3.コロナ禍でのメンバーとのコミュニケーション

・「部下」「上司」「自部門のメンバー」のどの相手であっても、業務時間や出社状況、業務の進捗状況の把握・報告については、「メール・チャット」での把握・報告が最も多く、生活面や心身の状態については「雑談などの会話」での把握・報告が多い。

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