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小野薬品は12日、本庶佑京大特別教授とのオプジーボの対価をめぐる訴訟について、裁判所からの和解の勧めを受けて、同日、和解が成立したと発表した。
和解は、免疫抑制の阻害による新たながん治療法の発見、およびそれを活用したがん免疫治療薬「オプジーボ」の開発におけるそれぞれの貢献を高く評価するとともに、我が国における産学連携の新たな形を示すために成立したもの。
なお、今回合意した和解内容は、2020年6月19日付けにて提起されたPD-1特許に関する対第三者訴訟関連金として約262億円を請求する本訴訟のみならず、2006年10月23日に締結された「PD-1遺伝子特許実施権許諾に関する契約書」に係る同社と本庶氏との紛争について全面解決を図るものとなる。
なお、業績への影響は現在精査中である。
和解の要旨は、次の通り。
1、小野薬品は、ライセンス契約で定められたロイヤルティ料率を変更することなく、今後も本庶氏にロイヤルティを支払う。
2、同社は、以下の趣旨で、本庶氏に対し50億円を支払う。
1)ライセンス契約に係る紛争の全面解決に対する解決金
2)3つの特許(特許第4409430号、特許第5159730号および特許第5885764
号)及びこれに関連する国内外の特許の有効性を巡る対第三者訴訟において本庶氏が同社に協力したことに対する報奨金
3)同特許を含むライセンス契約の対象特許における本庶氏以外の発明者に対する清算金
3、小野薬品は、京都大学における今後の教育研究環境の充実及び教育研究支援事業に対する経済的基盤を拡充し、我が国における産学連携の新たな形を示すために、かねてより社内にて検討してきたとおり、同社の自由な意思に基づいて、京都大学内に設立される基金「小野薬品・本庶 記念研究基金」に230億円の寄付を行う。