オプジーボと化学療法の併用療法 欧州委員会が胃がん・食道がんの一次治療薬で承認  小野薬品

 小野薬品は22日、オプジーボと化学療法の併用療法について、欧州委員会(EC)より胃がん・食道がんのファーストライン治療薬として承認を取得したと発表した。
 オプジーボとの併用は、フルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法で、疾患対象は、combined positive score(CPS)が 5 以上の PD-L1 陽性、HER-2 陰性の進行または転移性胃がん(GC)、胃食道接合部がん(GEJC)または食道腺がん(EAC)の成人患者。
 同社が戦略的提携しているブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が21日(米国現地時間)に公表したもの。
 今回の EC の決定は、ファーストライン治療としてオプジーボとロイコボリン、5-フルオロウラシルおよびオキサリプラチン(FOLFOX)またはカペシタビンおよびオキサリプラチン(CapeOX)の化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価したP3相 CheckMate-649試験の結果に基づくもの。
 同試験の結果では、オプジーボと化学療法の併用療法が、本試験の主要評価項目であるCPS が 5 以上の PD-L1陽性の切除不能な進行または転移性 GC、GEJC または EAC患者における全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。
 オプジーボと化学療法の併用療法による統計学的に有意なOSのベネフィットは、CPSが1以上の PD-L1 陽性患者および全無作為化患者集団においても認められた。
 同試験におけるオプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、各薬剤のこれまでに報告されている安全性プロファイルと一貫していた。
 今回のECの承認により、欧州連合の 27 加盟国をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、CPS が5以上の PD-L1陽性、HER2陰性の進行または転移性GC、GEJCまたは EAC の成人患者のファーストライン治療薬として、オプジーボとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法の使用が認められる。
 CheckMate-649 試験におけるCPSが5以上のPD-L1陽性患者での有効性および安全性の結果は、次の通り。

• OS(最短 19.4 カ月間の追跡調査): OS の中央値は、オプジーボと化学療法の併用療法群 で14.4カ月 [95%信頼区間(CI):13.1 – 16.3]、化学療法群で 11.1 カ月(95% CI:10.0 – 12.1)であった [ハザード比 (HR) 0.69;95% CI:0.60 – 0.81]。

• PFS(最短 19.4 カ月間の追跡調査):PFS の中央値は、オプジーボと化学療法の併用療法群で8.31カ月[95% CI:7.03 – 9.26]、化学療法群で 6.05 カ月(95% CI:5.55 – 6.90)であった(HR 0.68;95% CI:0.59 – 0.79)。

• 安全性:頻度が高く報告された副作用は、末梢神経障害(53%)、悪心(48%)、疲労(44%)、下痢(39%)、嘔吐(31%)、食欲減退(29%)、腹痛(27%)、便秘(25%)および筋骨格痛(20%)、発熱(19%)、発疹(18%)、口内炎(17%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(13%)、咳嗽(13%)、浮腫(末梢浮腫を含む)(12%)、頭痛(11%)および上気道感染(10%)であった。

◆BMS消化器がん領域担当開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏のコメント
 この承認は、胃がん、胃食道接合部がんおよび食道腺がんの多くの患者さんにとって多大な成果であり、長年にわたり使用されていた標準治療と比較して良好な全生存期間を示した新たな治療選択肢となる。
 過去10年間において HER-2陰性の胃がん患者さんにとって治療法に大きな進展がなかったが、我々はこの分野を前進させ、欧州連合の患者さんにこのオプジーボによる併用療法を紹介できることを大変うれしく思う。

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