小野薬品は4日、オプジーボと抗LAG-3抗体Relatlimabの固定用量配合剤での併用療法について、欧州医薬品庁(EMA)が悪性黒色腫のファーストライン治療薬としての販売承認申請(MAA)を受理したと発表した。対象は、進行期(切除不能または転移性)悪性黒色腫の成人および小児患者(12 歳以上かつ体重 40 キロ以上)。
提携しているブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が、1日に発表したもの。同申請受理により申請資料の提出が完了し、EMAによる中央審査が開始される。
今回の申請は、P2/3相RELATIVITY-047試験の有効性および安全性の結果に基づくもの。同試験は、転移性の悪性黒色腫において、併用療法群が標準治療である抗PD-1抗体の単剤療法群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間のベネフィットを示した最初の国際共同無作為化二重盲検P2/3相臨床試験である。
同試験の主要評価項目は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)および奏効率(ORR)である。
患者714例が、オプジーボ480mgと Relatlimab 160mg の固定用量配合剤での併用療法を受ける群、またはオプジーボ480mgを4週間間隔で点滴静注する群に無作為に 1:1 に割り付けられた。
投与は、再発もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで継続された。副次評価項目であるOSおよびORRの追跡調査は進行中である。
RELATIVITY-047試験の主な結果は、本年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表され、ASCO 公式プレスプログラムで取り上げられた。データは、本年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会でも口頭発表された。
米国FDAも、オプジーボとRelatlimabの固定用量配合剤での併用療法の生物学的製剤承認申請(BLA)を優先審査の対象として受理している。オプジーボとRelatlimabの固定用量配合剤での併用療法は開発中の治療であり、承認されている国はない。
◆BMS腫瘍領域、シニアバイスプレジデント兼腫瘍領域担当開発責任者のJonathan Cheng氏のコメント
悪性黒色腫は、深刻な疾患になる可能性があり、症例は何年もの間増加している。RELATIVITY-047試験の結果は、Relatlimabとオプジーボの固定用量配合剤での併用療法が、このがんの進行期の患者さんにとって有効である可能性を示している。承認された場合、この治療は欧州連合の患者さんにとって最初の治療法として提供できることになるだろう。
我々は、3つ目の異なるチェックポイント阻害薬となるこの併用療法を審査するEMAと協働することを楽しみにしており、進行期悪性黒色腫の患者さんに提供できるようにするためのこの最初のステップを誇りに思っている。