P3試験でDovatoへの切り替え後押しする長期の良好な有効性・安全性確認  塩野義製薬

 塩野義製薬は1日、1日1回投与2剤配合錠の抗HIV薬「Dovato(ドルテグラビルおよびラミブジン)」について、同社とGSKおよびファイザーとの合弁会社ヴィーブ社が実施するTANGO試験において144週時点でDovatoへの切り替えを後押しする長期の良好な有効性と安全性が確認されたと発表した。同結果は、ヴィーブ社が、9月29日~10月3日に開催されている米国感染症学会週間(Infectious Disease Week 2021)で発表された。
 TANGO試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む3剤以上の治療レジメン((TAF)-based regimen:TBR)で、6ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象に、TAFを含む3剤レジメンを継続する場合を対照群として、Dovatoへ切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討するP3相臨床試験。
 同試験におけるウイルス学的失敗例の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で0%(0名/369名)、TBR群で1%未満(3名/372名)であり、両群ともに治療による薬剤への耐性は認めらなかった。
 また、144週時点でウイルス抑制を維持できなかった患者(血漿中HIV-1 RNA量:≧50 コピー/mL)の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で0.3%(1名/369名)、TBR群で1.3%(5名/372名)であり、Dovatoの2剤レジメン群はTBR群に対し非劣性を示した。
 ウイルス抑制を維持した患者(血漿中HIV-1 RNA量:<50 コピー/mL)の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で85.9%(317名/369名)、TBR群で81.7%(304名/372名)であり、Dovatoの2剤レジメン群はTBR群に対し非劣性を示した。
 安全性については、全体的な有害事象の発生率は両群で同程度の結果であった。
 塩野義製薬は、今後もヴィーブ社の経営に参画することで、HIV感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルに加えS-365598の価値最大化に貢献していく。
 なお、同件が2022年3月期の業績に与える影響は軽微である。

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