小野薬品は17日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、P3試験のCheckMate-214試験において未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)に対し、5年生存率が48%と引き続き持続的な長期生存ベネフィットを示したと発表した。提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が16日に発表したもの。
中央値 67.7 カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較して、主要評価項目の患者集団である中リスクおよび高リスクの予後因子を有する患者ならびに全無作為化患者において、引き続き良好な全生存期間(OS)および奏効のベネフィットを示した。
中および高リスクの患者(847例)のうち、オプジーボとヤーボイの併用療法群(425 例)では、5 年以上にわたり治療効果が持続し、本試験の主要評価項目のうちOS および奏効率(ORR)の両方、ならびに副次評価項目において改善が持続した。
OSは、中および高リスクの患者における OS の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で47.0 カ月、スニチニブ群で26.6 カ月であった[ハザード比(HR)0.68;95%信頼区間(CI):0.58 – 0.81]。
5年生存率は、併用療法群で43%、スニチニブ群で31%であった。
ORRは、オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、ORRのベネフィットの持続を示した(併用療法群 42%vsスニチニブ群27%)。
また、併用療法群ではより多くの患者が完全奏効を達成した(併用療法群 11% vs スニチニブ群 2%)。
奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群では 19.7 カ月であった。
全無作為化患者、またはIntention-To-Treat(ITT)集団(1,096 例)の解析では、オプジーボとヤーボイの併用療法群(550例)は、同様に長期ベネフィットを示しました。
ITT 集団における OS の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で 55.7 カ月で、スニチニブ群で 38.4カ月であり、進行 RCCを対象としたP3試験でこれまでに報告されている生存アウトカムで過去最長を示した(HR 0.72;95% CI:0.62 – 0.85)。
5 年生存率は、併用療法群で 48%、スニチニブ群で 37%であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続きより高いORR(併用療法群 39% vs スニチニブ群 32%)および完全奏効率(併用療法群 12% vs スニチニブ群 3%)を示した。
また、併用療法群ではより多くの患者が完全奏効を達成し、かつその後の病勢進行を認めなかった(併用療法群 9.6% vs スニチニブ群 2.4%)。
DORの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群では24.8 カ月であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、確立された治療アルゴリズムを用いて管理可能であり、長期追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められなかった。 これらのデータは、2021 年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル総会で16 日にオンラインで発表された
オプジーボとヤーボイを含む併用療法による OSの有意な改善は、現在までに、進行腎細胞がん、非小細胞肺がん、転移性悪性黒色腫、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした 6件のP3試験で示されている。
◆CheckMate -214試験の治験担当医師でメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのJack and Dorothy Byrne Chair のRobert J. Motzer(M.D.)氏のコメント
CheckMate -214 試験の 5 年間のデータにより、進行腎細胞がんを対象とした同第Ⅲ相試験において、5 年時点で半数近い患者さんが長期生存を果たしていたことが示された。
オプジーボとヤーボイの併用療法群では、奏効期間の中央値が未達であるものの、同データはこの疾患を抱えている患者さんにおける同併用療法の持続的な効果を示している。
◆BMS泌尿生殖器がん領域開発プログラム、バイスプレジデント兼責任者のDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)氏のコメント
私たちが 4 年前のESMO で発表したCheckMate-214 試験の初めての結果は、進行腎細胞がんに対する標準治療の変革を後押した。そして今、この疾患を対象とした免疫療法薬の併用療法のP3試験として過去最長の追跡調査により、オプジーボとヤーボイの併用療法による真に長期的な生存ベネフィットが示されている。
腎細胞がんにおけるこれらの5年間のデータは、オプジーボとヤーボイによる併用療法ががん患者さんの生存アウトカムを変える上で果たし得る独自の役割に関して、他の複数のがん腫でも確認されているエビデンスをさらに強化するものである。