再生医療技術を活用したサンゴ礁再生でクラウドファンディングに挑戦 関西大学

化学生命工学部・上田正人教授とサンゴ水槽

 関西大学は16日、再生医療技術を活用したサンゴ礁の再生研究に関するクラウドファンディングを開始したと発表した。同大学サンゴ群集再生技術研究会では、地球環境、とりわけ海洋資源を守る上で重要な役割を担うサンゴの保全を目的とした研究に取り組んでおり、同クラウドファンディングその一環として実施するもの。
 様々なサンゴ種が生育し、良好な生育環境が維持されている鹿児島県与論島に研究拠点を設置し、薬品や特殊な装置を使わずに再生医療技術を活用して高効率なサンゴ増殖の実現を目指す。
 「80年以内に世界のサンゴ礁が絶滅するかもしれない・・・」。そうした危機に立ち向かう研究グループが関西大学サンゴ群集再生技術研究会だ。サンゴの保全活動といえば、断片移植など様々な試みが行われているが、有効な打開策となっていないのが現状である。
 同研究グループでは、「再生医療技術でサンゴ礁を再生する」を合言葉に、薬品や特殊な装置を使わず、高効率なサンゴ増殖を実現する新たな手法の開発に取り組んでいる。
 その手法はインプラント材料であるチタンと微弱電流を適切に使い、サンゴ礁を効率よく再生しようというもの。すでに和歌山県串本町や鹿児島県与論島で実験を進めており、今回のクラウドファンディングで集まった資金を活用し、与論島での新たな研究拠点の設置を計画している。
 プロジェクトメンバーは、上田正人(関西大学化学生命工学部)、高橋智幸(関西大学社会安全学部)、徳重英信(秋田大学大学院理工学研究科)、鶴田浩章(関西大学環境都市工学部)、米津大吾(関西大学システム理工学部)、上坂 菜々子(関西大学大学院化学生命工学専攻)の各氏。
 同プロジェクトでは、「サンゴの専門家はいないが、門外漢だからこそできる斬新な発想による新しいサンゴ礁再生技術の確立」を標榜しており、サンゴ増殖による二酸化炭素の固定化も視野に入れている。
 クラウドファンディングの概要は、次の通り。
◆実施期間:2021年9月15日~11月11日
◆目標金額: 200万円
◆クラウドファンディングの詳細を紹介するサイトのURLは、  https://wps.itc.kansai-u.ac.jp/matt/crowdfunding/
 

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