抗体カクテル

 日常の情報源として朝刊を読むようにしています。抗体カクテル療法が重症化を抑えるという記事を読みました。抗体カクテル療法というのはカシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法で、COVID-19に対する治療薬として使われています。
 製薬会社は「変異株の感染拡大など、COVID-19の流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされています。カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法は海外第III相臨床試験において、入院をしていない高リスクのCOVID-19患者の入院または死亡のリスクを有意に低下させました」との報告とともに、「本抗体カクテル療法を新たな治療薬として一日も早く患者さんにお届けできるよう」と述べています。
 中等症専門の大阪市立十三市民病院では7月末の抗体カクテル療法導入後、1ヵ月間に投与した78人のうち重症化したのはわずか1人。「投与が遅れると効果が低下するそうであるが、早く治療すれば助かる命がある」と西口幸雄院長の記事が掲載されていました。この西口院長は私の高校の同じ学年の同窓生で、新聞を読むにも思わず力が入ります。
 抗体カクテルの作用機序はREGN-COV2 は、SARS-CoV-2 のスパイク蛋白質を認識し、このウイルスに対する中和作用を持つ完全ヒトモノクローナル抗体 2 種(REGN10933 と REGN10987)を組み合わせた抗体カクテルであり、ウイルスの細胞への侵入を阻止することにより、増殖を抑制するとされています。2種類の抗体がウイルスの突起に結合し、抗体が結合しているためにウイルスが侵入できなく、細胞内への侵入を防ぎます。
 薬の扱いは2つの抗体の解凍から混合、点滴の針を打つまでが20分強で、点滴を始めて約30分で終了し取り扱いの難易度は低いとされます。「一般的なワクチンは患者の体内に抗体を作らせるが、抗体カクテル療法は抗体を直接体内に入れ、分かりやすく効果がある」ということです。
原則、発症から7日目以内の投与が求められ、遅れると効果が低下すると考えられます。発症して日が浅く、ウイルス量が少ない時に投与しなければ効果がありません。患者に抵抗力のある若い世代が増え、抗体カクテル療法を対象患者に積極的投与していることで平均入院期間も短縮できているそうです。「患者はいきなり症状が悪くなることもあるが、たいていは軽症や中等症を通ってくる。センターのようなものを設置して軽症・中等症患者を早く確認し、抗体カクテル療法で治療することはできないかと」と西口院長は提言しています。
 コロナの治療薬があれば、インフルエンザと同様の対応をすることができるのではと、その日が待ち遠しく思われます。夜に薬の配達で自転車を走らすと、緊急事態宣言下の街はとても静かで、つい暴走しています。夜の街が賑やかで、走り辛かった頃が懐かしく思い出されます。

 日常の情報源として朝刊を読むようにしています。抗体カクテル療法が重症化を抑えるという記事を読みました。抗体カクテル療法というのはカシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法で、COVID-19に対する治療薬として使われています。
 製薬会社は「変異株の感染拡大など、COVID-19の流行は長期化しており、新たな治療選択肢が必要とされています。カシリビマブとイムデビマブの抗体カクテル療法は海外第III相臨床試験において、入院をしていない高リスクのCOVID-19患者の入院または死亡のリスクを有意に低下させました」との報告とともに、「本抗体カクテル療法を新たな治療薬として一日も早く患者さんにお届けできるよう」と述べています。
 中等症専門の大阪市立十三市民病院では7月末の抗体カクテル療法導入後、1ヵ月間に投与した78人のうち重症化したのはわずか1人。「投与が遅れると効果が低下するそうであるが、早く治療すれば助かる命がある」と西口幸雄院長の記事が掲載されていました。この西口院長は私の高校の同じ学年の同窓生で、新聞を読むにも思わず力が入ります。
 抗体カクテルの作用機序はREGN-COV2 は、SARS-CoV-2 のスパイク蛋白質を認識し、このウイルスに対する中和作用を持つ完全ヒトモノクローナル抗体 2 種(REGN10933 と REGN10987)を組み合わせた抗体カクテルであり、ウイルスの細胞への侵入を阻止することにより、増殖を抑制するとされています。
 2種類の抗体がウイルスの突起に結合し、抗体が結合しているためにウイルスが侵入できなく、細胞内への侵入を防ぎます。
 薬の扱いは2つの抗体の解凍から混合、点滴の針を打つまでが20分強で、点滴を始めて約30分で終了し取り扱いの難易度は低いとされます。「一般的なワクチンは患者の体内に抗体を作らせるが、抗体カクテル療法は抗体を直接体内に入れ、分かりやすく効果がある」ということです。
 原則、発症から7日目以内の投与が求められ、遅れると効果が低下すると考えられます。発症して日が浅く、ウイルス量が少ない時に投与しなければ効果がありません。患者に抵抗力のある若い世代が増え、抗体カクテル療法を対象患者に積極的投与していることで平均入院期間も短縮できているそうです。
 「患者はいきなり症状が悪くなることもあるが、たいていは軽症や中等症を通ってくる。センターのようなものを設置して軽症・中等症患者を早く確認し、抗体カクテル療法で治療することはできないかと」と西口院長は提言しています。
 コロナの治療薬があれば、インフルエンザと同様の対応をすることができるのではと、その日が待ち遠しく思われます。夜に薬の配達で自転車を走らすと、緊急事態宣言下の街はとても静かで、つい暴走しています。夜の街が賑やかで、走り辛かった頃が懐かしく思い出されます。

                                    薬剤師 宮奥善恵

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