新型コロナウイルス日米定点生活者意識調査第16回目結果を公表 電通

外出時に感じる危険性は日米で大きく乖離「米国は特に危険感じない」

 電通は、2021年7月下旬、全国20〜69歳の男女1000名を対象に実施した「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第16回日米比較編)」の結果を公表した。今回の調査では、1日当たりの感染者数が1万人を超え、過去の緊急事態宣言時よりも自粛が広がった。出社・日常の買い物活動に変更はない。ワクチンへの信頼度は上昇していた。外出時に感じる危険性は日米で大きく乖離しており、米国は特に危険を感じてない。
 同調査は、電通グループの海外事業を統括する電通インターナショナル社(旧:電通イージス・ネットワーク社)の米国拠点Dentsu U.S.が米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を20年3月下旬から21年7月にかけて21回にわたり調査した事柄とほぼ同じ内容を日本国内でも調査したもの。
 前回の6月下旬に引き続き、日本での第16回目の調査を7月下旬、すなわち、東京オリンピックが開催される中、国内の1日当たりの新規感染者数が1万人を突破し、東京・沖縄で緊急事態宣言の延長が決定した時期に行った。比較対象である米国の第21回目は7月中旬に調査を行った。
 第16回調査の主なファインディングスは次の通りです。なお、一部の調査項目は情勢を鑑みながら追加・変更を行っているため、設問によっては比較可能な項目がある回との比較を行っている。

<主なファインディングス>
(1)生活者の心理ステージは、ステージ5「収束後の生活へ」が20%と過去最高だった米国に対し、日本はステージ1「混乱・動揺」が20%と過去2番目に高い水準となり、日米の差が広がる結果となった。
 日本ではステージ3「順応・適応」以降が40%と前回より5ポイント低下し、心理ステージが悪化している。

(2)コロナ禍の状況認識は、日本では「感染は悪化していて、手に負えない状況だと思う」が47%となり、前回から22ポイント増加。米国でも「感染は悪化していて、手に負えない状況だと思う」が15%となり、前回よりも4ポイント増加。

(3)日本では過去の緊急事態宣言時と比べ、自粛状況は複数の項目で「これまでよりも自粛している」「変わらない」が9割。「これまでよりも自粛していない」は全項目で5%以下。「出社」「日常の買い物」は7割の人が「今までの宣言時と変わらない」とした。

(4)日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が68%と過去最多となった。

(5)外出時に感じる危険性は日米で大きく乖離。日本では、外出することに「危険を感じる」が前回より5ポイント増加し75%に。

<詳細結果>

(1)生活者の心理ステージは、ステージ5「収束後の生活へ」が20%と過去最高だった米国に対し、日本はステージ1「混乱・動揺」が20%と過去2番目に高い水準となり、日米の差が広がる結果となった。日本ではステージ3「順応・適応」以降が40%と前回より5ポイント低下し、心理ステージが悪化している。

・新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。

・ステージ3以降が67%を占める米国に対し、日本ではステージ3以降は40%にとどまっている。

(図表1)生活者の心理ステージ 

質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われている。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えて、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つ選択。

出典:社会心理学の「キューブラ=ロスモデル」から着想を得て、COVID-19での心理変容に置き換えて定義。ステージ文言などは電通オリジナルで作成。

(2)コロナ禍の状況認識は、日本では「感染は悪化していて、手に負えない状況だと思う」が47%となり、前回から22ポイント増加。米国でも「感染は悪化していて、手に負えない状況だと思う」が15%となり、前回よりも4ポイント増加。

・米国では「感染は次第に落ち着きを取り戻してきていて、対応できていると思う」が40%と選択肢の中で最も回答が多かったのに対して、日本では7%と少なく、日米に大きな差がみられる。

(図表2)コロナ禍の状況認識

質問:これまでの国内の新型コロナウイルスの感染状況の経過について、あなたはどう感じているか?以下のうち、最も当てはまるものを選択。

(3)日本では過去の緊急事態宣言時と比べ、自粛状況は複数の項目で「これまでよりも自粛している」「変わらない」が9割。「これまでよりも自粛していない」は全項目で5%以下。「出社」「日常の買い物」は 7割の人が「今までの宣言時と変わらない」とした。

・1~3回目までの緊急事態宣言発令時に比べて多くの項目において、4~5割が「これまでよりも自粛している」と回答。「新規感染者数1万人越え」という大幅な感染者数増加に危機感を高めているものと考えられる。

(図表3)各活動の自粛状況

質問:現在、4度目の緊急事態宣言が発令されているが、3回目までの宣言発令時と比べ、以下の項目の自粛状況はどうなったか? ※対象地域ではない人も、それぞれについて回答。

(4)日本におけるワクチンの効果や安全性に対する信用度は「完全に信用する」「ある程度は信用する」の合計が68%と過去最多となった。

・伸び止まりを見せていたワクチンへの信用度は、前回+6ポイントの過去最高の計68%となった。

(図表4)コロナワクチンへの信用度合い

質問:新型コロナウイルスのワクチンについて、あなたはどの程度、効果や安全性を「信用」するか?新型コロナウイルスワクチンについて知っていること・情報を踏まえて回答。

(5)外出時に感じる危険性は日米で大きく乖離。日本では、外出することに「危険を感じる」が前回より5ポイント増加し75%に。

・米国では76%が「外出時に危険を感じない」と回答しており、日米で大きな差がみられる。

(図表5)外出時に感じる危険性

質問:現在、外出することについてどのくらい心配しているか?

タイトルとURLをコピーしました