コロナの2類相当見直し議論 政府はリーダーシップ持った対応を 杉並区 柿田医院院長 柿田豊

 コロナの2類相当見直し議論がようやく俎上に上がる気配ですね。基本的には見直し賛成なのですが、それだけでカタがつく問題でもないと思っています。
 政府が「はい!明日からコロナは5類相当です!」と言っても呼び方が変わるだけで、ウイルスの性質に変化が生じるわけではなく、医療機関の対応は急に変えられません。うちなんかは家族経営みたいなもんですから自分の独断で、初期からコロナ診療をやると決めて今までやってきました。しかし自身の健康状態やスタッフやテナントオーナーの反対が理由でコロナ対応をやりたくてもやれなかった医療機関もあるわけです。たとえ過剰だとしても個人の病気を恐れる気持ちは尊重されるべきでしょう。特に初期には重症例も多かったのですから。ところが急に「明日からインフルエンザ程度の扱いにするから、どこの医療機関でも診察するように!」と言われても困るところもあると思います。
 コロナ禍を通して感じるのは、政府の対応の軸の弱さ、リーダーシップの欠如です。何もはっきりしたことを言わずに行政上の対応を小手先でチョコチョコ変えるだけで、どういう理由でこれをこうするのだという説明が不足しています。
 2類相当見直しをするならまず、「コロナはもはや例年のインフルエンザレベルであると政府は判断した!であるからして国民および医療機関はウィズコロナの意識で動くべし!!稀に重症化する例に関しては政府が責任をもって対処するので心配するな!!!」と宣言して、人々の受け入れ可能な雰囲気を醸成してから行うべきだと思うのです。
 とにかくまず何を目指しているのかをはっきりさせてくれないとついていけません。

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