BRAF阻害剤ビラフトビ 結腸・直腸癌治療薬として韓国で販売承認取得

 小野薬品は20日、BRAF 阻害剤「ビラフトビ」について、韓国現地法人の韓国小野が、抗ヒト EGFR モノクローナル抗体「セツキシマブ」との併用療法で、進行・再発の結腸・直腸癌の治療薬として19日に韓国食品医薬品安全処(MFDS)から販売承認を取得したと発表した。
 適応症は、治療歴を有する BRAFV600E 変異を有する成人の進行・再発の結腸・直腸癌。
 今回の承認は、1次治療または2次治療後に進行したBRAFV600E変異を有する治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸がんの患者を対象に実施された国際共同無作為化非盲検P3相試験(BEACON CRC 試験)の結果に基づくもの。
 同試験では、ビラフトビとセツキシマブの併用療法群は、対照療法群(イリノテカンとセツキシマブを含む併用療法)と比較して、全生存期間(OS)で統計学的に有意な延長を示した(ハザード比 0.60;95%信頼区間:0.45 – 0.79;p=0.0003)。
 OSの中央値は、ビラフトビとセツキシマブの併用療法群で8.4カ月、対照療法群で5.4カ月であった。
 また、ビラフトビとセツキシマブの併用療法群は、対照療法群と比較して、盲検下独立中央判定委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)(ビラフトビとセツキシマブの併用療法群で 20%、対照療法群で 2%)でも統計学的に有意な改善を示した(p<0.0001)。
 さらに、無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ビラフトビとセツキシマブの併用療法群で4.2カ月、対照療法群で1.5カ月(ハザード比 0.40;95%信頼区間:0.31 – 0.52;p<0.0001)であった。
 同試験におけるビラフトビとセツキシマブの併用療法群において予期せぬ毒性は認められなかった。
 BEACON CRC試験は、1 次治療または2次治療後に進行した BRAFV600E変異を有する治癒切除不能な進行または再発の結腸・直腸がん患者を対象にビラフトビ、MEK 阻害剤であるメクトビ(ビニメチニブ)とセツキシマブの3剤併用療法およびビラフトビとセツキシマブの2剤併用療法の有効性および安全性を評価した国際共同無作為化非盲検P3相試験である。
 同試験の無作為化パートでは、患者は、ビラフトビ、メクトビとセツキシマブの 3 剤併用療法、ビラフトビとセツキシマブの2剤併用療法、またはイリノテカンとセツキシマブを含む対照併用療法を受けるよう1:1:1に無作為に割り付けられた。
 ビラフトビは、300mgを1日1回、経口投与、メクトビは1回45mgを1日2 回、経口投与、セツキシマブは初回のみ400mg/㎡、その後250 mg/㎡を週1回点滴静注された。
 患者には、疾患の進行、忍容できない毒性等が確認されるまで投与が継続された。
 同試験の主な有効性の評価項目は、全生存期間(OS)である。その他の評価項目は、無増悪生存期間(PFS)および盲検下独立中央判定委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)等である。

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