新型コロナ第5波感染拡大で宿泊療養施設からの院外処方箋50~100枚/日を応需 大阪府薬会営中央薬局

乾会長

 大阪府薬剤師会は16日、Webによる定例記者会見を開催し、乾英夫会長が、新型コロナ第5波感染拡大への対応で大阪府内15箇所のホテルに開設された宿泊療養施設からの院外処方箋応需体制に言及。
 「8月10日より大阪府薬剤師会会営中央薬局が一括して1日50~100枚程度の院外処方箋をFAXで応需し、まず電話で患者に服薬指導した後に調剤を行い、バイク便を活用して即日薬剤を当該施設に届けている」ことを明らかにした。
 また、8月1日よりスタートした地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定制度の現況について、「地域連携薬局58薬局、専門医療機関連携薬局1薬局が認定された」と報告。その上で、「今後どんどん認定薬局が増えるように大阪府と連携を取り合うとともに、認定後の活躍も支援していく」考えを強調した。
 大阪府では、新型コロナ第4波感染拡大時の医療崩壊の経験を踏まえて、今回の第5波感染拡大では、大阪市内14か所、吹田市内1か所のホテルに宿泊療養施設を開設。15か所で最大6000人の患者受け入れを可能としている。
 15か所中の1ホテルに医師3名が勤務して各ホテルの患者をオンライン診療し、解熱剤や咳止め、抗アレルギー剤などの薬剤の院外処方箋を発行している。
 大阪府薬剤師会では、これら15か所の宿泊療養施設からの院外処方箋を会営中央薬局がFAXで応需。同薬局では、まず、処方箋に基づいて電話で患者に服薬指導した後に調剤を行い、薬剤をバイク便で即日当該の宿泊療養施設に配送している。
 応需している処方箋枚数は50~100枚/日程度で、バイク便の本数は4~5回/日。
 乾会長は、「今の時点では、本会中央薬局がしっかりと院外処方箋を応需して迅速に薬を届けるシステム構築に従事している」と強調した上で、「今後院外処方箋枚数が増える可能性がある。院外処方箋をどの薬局に送れば良いかの基準が明確になれば、掛かり付け薬局や地域の薬局でも応需できるようになる」との見通しを示した。
 大阪府内15か所の宿泊療養施設の合計収容者数は最大6000人で、大阪府では他のホテルでも同施設をオープンしていく予定だ。
 定例会見では、2022年度大阪府(4日実施)・大阪市(18日実施予定)への予算要望や、7月16日開催の大阪府市長会議、7月21開催の大阪府の町村会議における学校薬剤師の役割説明の主旨も報告された。
 2022年度大阪府・大阪市への予算要望では、道明雅代副会長が、「コロナ関連の要望を重視した」と強調。その具体策として「薬局従事者へのコロナ慰労金の要望」や、「薬剤師によるワクチン接種行為の支援」を挙げた。
 一方、大阪府市長会議、大阪府の町村の定例会議では、乾氏が、「学校薬剤師の業務を説明し、地域でしっかりと連携を取って学校薬剤師が活躍できるようにお願いしてきた」と明言。
 尾島博司大阪府薬剤師連盟会長も、「現在、大阪府市長会会長の野田義和氏(東大阪市長)や各市の市会議員らに学校薬剤師の待遇改善についてロビー活動を展開しており、今後、それぞれの支部ががそれぞれの地域の教育委員会と交渉していく」と報告した。

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