マイクロニードル技術による抗体誘導ペプチド次世代製剤技術開発でメドレックスと共同研究契約締結  ファンペップ

 ファンペップは13日、メドレックスとマイクロニードル技術を用いた抗体誘導ペプチドの次世代製剤技術開発を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。
 マイクロニードルアレイは、生体分解性樹脂等から成る数百μmの微小針の集合体で、注射しか投与手段のないペプチド医薬品やワクチン等の無痛経皮自己投与を実現。また、ワクチンや免疫性疾患においては従来の注射剤と比べて高い免疫効果が期待される有望な投与デバイスとして注目されている。
 メドレックスのマイクロニードル技術は、鋭い針先と工夫された応力制御機構を持つアプリケータ(挿入器具)による「簡便で確実な投与」を特徴としている。
 ファンペップが研究開発を進めている抗体誘導ペプチドは、患者の体内で抗体産生を誘導して治療効果を発揮するペプチドワクチンである。バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成での製造が可能なため、製造コストを抑制でき、さらに投与後は患者の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生するため、薬剤投与間隔も長いことが期待される。
 ファンペップでは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチド「AJP001」を強みとする抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術を活用して炎症性疾患やアレルギー性疾患等の慢性疾患に対する抗体誘導ペプチドの創薬研究を推進。
 これまでに標的タンパク質 IL-17A に対する抗体誘導ペプチド「FPP003」、標的タンパク質IgEに対する抗体誘導ペプチド「FPP004」及び標的タンパク質IL-23 に対する抗体誘導ペプチド「FPP005」を創生して医薬品開発を進めている。
 こうした背景のもと、今回の共同研究では、現在は注射剤として開発を進めている抗体誘導ペプチドの次世代製剤技術として、マイクロニードルアレイを用いる可能性を検討する。
 ファンペップは、抗体誘導ペプチドの提供及びマイクロニードル製剤の動物等を用いた薬効評価を担当し、その役割を実行するうえで必要な費用を負担する。
 同社では、従来より抗体誘導ペプチドの新規製剤技術開発研究を計画しており、その一環として同共同研究に取り組むため、2月10日に公表した通期業績予想への影響はない。

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