新型コロナウイルスに対する長期濃度保持型二酸化塩素ガス溶存液のさらなる有用性を実証  大幸薬品

 大幸薬品は6日、特許長期濃度保持型二酸化塩素ガス溶存液が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質と宿主細胞表面に存在するACE2受容体との結合を阻害することが確認されたと発表した。
 同研究成果は、英文学術誌Annals of Pharmacology and Pharmaceutics(2021, Volume 6, Issue 1, Article 1199)に掲載された。
 新型コロナウイルスが、ヒトに感染するには、ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質が、ヒト上皮細胞表面(肺や呼吸器等)にある受容体であるACE2受容体に結合する必要がある。
 この結合時には、スパイクたんぱく質を構成する特定のアミノ酸残基(453番目チロシン)とACE2受容体の特定のアミノ酸残基(34番目ヒスチジン)が結合することが既に知られている。
 同実験では、この特異的な結合を化学発光として定量的に評価できる測定法を用いて、二酸化塩素によるスパイクたんぱく質のACE2受容体の結合のIC50 (50%生物活性阻害濃度)が測定された。試験薬には、特許長期濃度保持型二酸化塩素ガス溶存液(製造後3年経過の溶存液で二酸化塩素濃度1.80mmol/L(121ppm(重量比) )及び、化学的に発生させた二酸化塩素ガスを蒸留水に溶解した水溶液(以下、二酸化塩素水溶液)が用いられた。
 これらを所定濃度に調整した二酸化塩素の溶存液を用い、新型コロナウイルス変異2株から抽出された試験用スパイクたんぱく質に5分間(温度25℃)接触させた後、二酸化塩素を中和し、各スパイクたんぱく質の結合活性を測定した。


 その結果、二酸化塩素水溶液でのIC50は、アルファ株で7.6μmol/L(0.51 ppm)、ベータ株で5.8μmol/L(0.39 ppm)、特許長期濃度保持型 二酸化塩素ガス溶存液ではアルファ株で15.3μmol/L(1.03 ppm)、ベータ株で4.7μmol/L(0.32 ppm)となった。
 さらに、共にその濃度依存的に、変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質の蛍光発光が低下することが確認された(グラフ1、2)。
 これらの結果は、二酸化塩素分子が新型コロナウイルス変異2株(アルファ, ベータ)のスパイクたんぱく質に作用して、ACE2の結合を阻害することを示しており、二酸化塩素が新型コロナウイルスの感染を阻止することが推察される。
 なお、既に別の研究で二酸化塩素が新型コロナウイルスの従来株, 変異2株(アルファ, ガンマ)を99.99%以上不活化することを確認しており、同試験により、新型コロナウイルスへの長期濃度保持型二酸化塩素ガス溶存液の更なる有用性が実証された。

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