アッヴィは28日、JAK阻害剤(関節リウマチなどの治療薬)リンヴォックについて、P3相試験(SELECT-PsA2試験)の非生物学的DMARDで効果不十分であった活動性関節症性乾癬(活動性乾癬性関節炎)患者において、1年以上におよび(56週)疾患活動性の持続的な改善を示したと発表した。
SELECT-PsA2試験では、56週時にリンヴォック15 mgの継続投与を受けた患者の29%が最小疾患活動性(MDA)を達成した。この56週時の結果は多重性調整されていない。
SELECT-PsA2試験の長期の結果は、EULAR2021で報告される。これらの結果は、オンライン版のRheumatology and Therapyの2021年4月号でも公表された。
SELECT-PsA2試験では、リンヴォック15mgの継続投与を受けた患者の60%が、56週時にACR20の改善を達成した。さらに、リンヴォックの継続投与を受けた患者の41%と24%がそれぞれACR 50とACR 70の改善を達成た。
また、リンヴォック15mgの継続投与を受けた患者において、腱付着部炎や指炎の消失および皮疹消失がベースラインから改善した割合(PASI 75/90/100に基づく算出)は維持された。
24週時におけるリンヴォック15 mgの安全性に関する結果は、既に報告されているように、関節リウマチの臨床試験プログラムで認められたものと一貫しており、新たに重大な安全性のリスクは認められなかった。56週時のリンヴォック15 mgにおける感染症の発現率は、2.6/100人年であった。
有害事象では、重度の心血管イベントの発現率は0.2/100人年、重篤な静脈血栓塞栓イベントの発現率は0.2/100人年であった。56週間を通じてリンヴォック15mg群において死亡例は報告されなかった。
アッヴィは、既にSELECT-PsA 2試験のトップラインデータを発表しており、これはプラセボ群と比較し、リンヴォック群でより多くの患者さんがACR 20の主要評価項目およびすべての主な副次評価項目を満たしたことを示している。
◆アッヴィグローバルメディカルアフェアーズリウマチ学責任者のムドラ・カプール医学博士、M.D.のコメント。
リンヴォックが関節症性乾癬の多様な筋骨格および皮膚の症状に対して改善を維持したことを示す結果を発表できてうれしく思う。最近のEUでのリンヴォックの関節症性乾癬に対する承認に加え、これらの結果は関節症性乾癬の複数の兆候や症状に対して、適切な疾病制御を維持するためにリンヴォックが重要な役割を果たせることをさらに裏付けている。
◆スウェーデン医療センター/プロビデンス・セント・ジョセフ・ヘルスリウマチ学研究科ディレクターのフィリップ・ミース医学博士、M.D.のコメント
関節症性乾癬の管理は、持続的な筋骨格系および皮膚症状により複雑になることがあり、しばしば疼痛および身体機能の喪失を引き起こすことがある。
これらのデータは、リンヴォックが新規の重大な安全性リスクなく、1年にわたって関節症性乾癬(乾癬性関節炎)の症状改善を維持できたことを示している。リンヴォックは、リウマチ専門医が疾患活動性改善の維持を患者さんに提供するための一助となる重要な治療薬と成り得る。