製薬業界向けデータサイエンティスト育成プログラムを共同開発 中外製薬とALBERT

 中外製薬とALBERTは25日、製薬業界向けデータサイエンティスト育成プログラムを共同で開発したと発表した。同プログラムは、データサイエンティストに必須の基礎的な統計解析やプログラミングの技術に加え、臨床統計や疫学基礎など製薬業界特有のデータ利活用のための知識・スキル習得を可能とするもの。
 中外製薬が2021年4月よりスタートしたデジタル人財育成プログラム「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」の取り組みの一つとして、医薬特有要素を含むデータ利活用スキルの習得によるDXの推進を目指し、中外製薬グループ社員を対象に6月より展開していく。
 ヘルスケア産業では、予防医療や診断支援、個別化医療、新たな治療法・新薬の開発、健康寿命の伸長など、様々な分野でデータ分析・AIの活用が期待されており、データの高度な解析技術や統計の専門スキルを有する人財の育成が重要な課題である。加えて製薬業界特有のスキルも必要となっている。
 中外製薬では、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の基本戦略のひとつに「デジタル基盤の強化」を掲げ、デジタル人財育成の体系的な仕組み「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」を2021年4月より開始した。
 これにより社内デジタル人財の育成強化に取り組むとともに、社外還元による採用力強化・外部との連携促進、エコシステム形成を目指している。
 一方、ALBERTでは、250名を超えるデータサイエンティストが在籍しており、社内人財育成で培ったノウハウを活用し、また現役のデータサイエンティストが講師を務めることで、より実践的なプログラムである「データサイエンティスト育成支援」を各産業に提供。加えて、業界特化型の育成プログラムの構築にも取り組んできた。
 こうした中、今回、中外製薬とALBERTは製薬業界向けデータサイエンティスト育成プログラムを共同で開発した。中外製薬は、データサイエンティストの育成に強みを有するALBERTの支援の下、DXを推進する人財の育成を強化していく。
 ALBERTは、引き続き中外製薬グループのデジタル人財基盤の強化に取り組むと同時に、今回共同開発したプログラムの外部提供の可能性も見据え、外部コミュニティとの連携や人財交流など製薬業界におけるDX推進を志す方々が広く活用できる仕組みづくりを目指す。

 ◆志済聡子中外製薬株式会社 執行役員 デジタル・IT統轄部門長のコメント
 ヘルスケア産業ではデータ分析やAI活用などができるデジタル人財の育成が重要な課題である。データサイエンス分野のエキスパートであるALBERTと協働で、製薬業界向けのデータサイエンティスト育成プログラムを開発できたことを大変嬉しく思う。
 中外製薬は、「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の下、デジタル人財育成の体系的な仕組み「CHUGAI DIGITAL ACADEMY」を2021年4月より開始し、社内デジタル人財の育成強化と、獲得した知識やスキルの社会への還元を目指している。
 今後も様々な外部パートナーとの協働を推進し、業界全体のデジタル人財強化に貢献していく。

◆松本壮志ALBERT代表取締役社長のコメント
 ALBERTは、日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして、産業に実装されるAI開発やデータサイエンティスト育成を通して社会に貢献してきた。
 ALBERTが設立以来蓄積してきたデータサイエンティスト育成ノウハウを「CHUGAI DIGITAL VISION 2030」の基盤となる人財育成研修で活用いただくことで、高度なデータ分析技術を修得できる。
 特に、今回開発した製薬業界の特有要素を含む産業特化型プログラムの提供により、高度かつ戦略的なヘルスケアソリューションで製薬業界をリードしていくプロフェッショナル人財の育成に貢献し、中外製薬様のDX推進を一層加速させることができるものと確信している。

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