吸入アミカシン硫酸塩「アリケイス」 国内で肺NTMを適応症に承認取得症 インスメッド

 インスメッドは23日、アリケイスについて、肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)を適応症とする国内製造販売承認を取得したと発表した。対象は、既存治療で効果不十分のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺NTM症。
 アリケイスは、肺MAC症を対象として臨床試験を行い、初めて承認された唯一の薬剤であるとともに、インスメッドにとって日本で初めての承認品目となる。
 同剤は、インスメッドが独占所有権を有するリポソーム技術PULMOVANCE(TM)によりリポソーム化されたアミカシンを吸入投与することで、全身曝露を抑えながらアミカシンを肺に直接送達させ、肺内の感染部位の肺胞マクロファージにおいてリポソーム化アミカシンの取り込みを容易にしている。
 今回の承認取得は、P3相臨床試験(CONVERT)の結果に基づくもの。
 国際共同無作為化非盲検の同試験において、MACによる難治性肺NTM症患者に対し、多剤併用療法にアリケイス1日1回を上乗せ投与した群は、多剤併用療法のみの群に比べ、喀痰中のMAC菌の陰性化率が有意に高いことが示された。
 なお、アリケイスの呼吸器系に対する主な副作用は、発声困難、咳、呼吸困難および喀血である。
 インスメッド職務執行者の折原祐治氏は「難治性の肺MAC症の治療薬として、アリケイスが日本で承認されたことを大変嬉しく思い。難治性肺MAC症に対して有用で新たな治療選択肢が求められている中、一日も早くアリケイスを医療現場、さらには患者に届けられるように、全社一丸となって引き続き準備を進めていく」と述べている。

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