デジタル疲れの不眠に対するグリーンの香気構成成分の有効性確認  ロート製薬

eスポーツプロ選手との研究レポート公開

Restful Green

 ロート製薬は10日、eスポーツプロ選手との研究により、デジタル疲れの不眠に対するグリーンの香気構成成分(Restful Green)の有効性を確認したと発表した。同社が運営する香りと感性の研究所「BÉLAIR LAB(ベレアラボ)」が、eスポーツプロ選手2名を対象に、グリーンの香気構成成分を使用した際のパフォーマンス、休息や睡眠への影響を科学的に検証したもの。
 グリーンの香気構成成分は、ベレアラボ独自のノウハウに基づいてブレンドされた、新緑の透き通るようなさわやかな香りのモジュールだ。
 過去の研究においてヒトに対して抗疲労効果やストレス軽減効果が認められた天然植物から抽出された成分を独自に組み合わせている。
 同研究成果は、本年3月に開催された第16回日本感性工学会春季大会で発表された。同社では、引き続き香りの機能性研究に取り組むと同時に、製品開発へ応用していく。
 研究では、ビデオゲーム練習中、練習後の安静時、睡眠時において、グリーンの香気構成成分により、次の項目が確認された。

【ビデオゲーム練習中】
 被験者には個人差があり、香りあり、なしの条件間で同一の明確な有意差は確認できなかったが、被験者それぞれに①、②の点を確認した。

①被験者1は、3時間のゲーム練習中、総自律神経活動がより活性した状態になり、対戦練習での勝率が 4%アップした。
②被験者2は、20分間のコンボ練習中に限り総自律神経活動が活発化した。
 総自律神経活動は、自律神経が活発になる指標であり、注意・集中を計る指標の一つとして研究が進められている。

【ビデオゲーム練習後の安静時】
 香りありの条件下で、被験者2は有意差が確認できなかったが、被験者1では①、②の点を確認した。

①被験者1は、デジタル疲労の回復率が高く、練習後の安静時に香りのない時と比べて約4 倍回復した。

【練習後の睡眠】
香りありの条件下にて、被験者それぞれに明確な有意差が確認された。
①両者の睡眠時間が延長した。(被験者 1:平均 8 時間から 9.1 時間、被験者 2:6.5 時間から 8.04 時間)
②両者ともに睡眠中に副交感神経活動が向上し、緊張度が低い状態で眠っていた。

◆研究の経緯
 ロート製薬では、これまでにグリーンの香気構成成分(Restful Green)の機能性に関する研究を行い、精神的な疲労や不安を軽減する効果を確認している。今回は、近年の働く世代が抱える睡眠不足や睡眠の質の低下の原因とされるスマートフォンやパソコン、ゲームなどのデジタル操作による「デジタル疲労」に着目し、同課題を持つ層の代表として、プロのeスポーツ選手2名(男性 1 名・女性 1 名)を被験者として検証を行った。なお同社は2019 年10月よりデジタルハーツホールディングスと協業し、eスポーツを新たなエンターテインメントとしてゲームファンのみならず幅広い層に広める取り組みを行っている。
 2020年2月29日には、バンダイナムコエンターテインメントが主催する3D 対戦格闘ゲーム『鉄拳7』のeスポーツ大会「鉄拳プロチャンピオンシップ 日韓対抗戦 2020」を全面サポートし、香りで選手を支援したが、さらなる可能性があると考え、今回の検証に至った。

◆試験方法
 2020年6月~8月にかけて、プロのeスポーツ選手2名(男性 1 名・女性1名)に対して、14日間コントロールされた環境で1日3 時間3D対戦格闘ゲーム『鉄拳 7』の練習を実施した。
 内容はA)反射反応をトレーニングするコンボ練習(20分)、B)対戦型練習(2時間40分)の2種類。選手には、ウェアラブル心拍センサーmyBeat(ユニオンツール社製)を24時間装着してもらい、1日の自律神経活動・体動のモニターに加えて、ゲーム練習の前後には心理評価と睡眠に関する主観評価を行った。
 ゲーム練習を行う空間にグリーンの香気構成成分がある日とない日を交互に実施し、比較をしていく。
 なお、同研究は、臨床研究等倫理審査委員会(ロート製薬内)で登録している。

◆研究結果【被験者 1】
 被験者1 では、3 時間のゲーム練習中にグリーンの香気構成成分を使用した場合、香りを使用しない場合と比べ、①~④の4つの影響が観察された。

①練習中のHF(副交感神経活動の指標)、 LF(交感神経活動の指標)、 Total Power(LFとHFの総和) の全ての値が増加した。
 交感神経と副交感神経がバランス良く活性し、注意・集中力が向上した状態であったと推測される。また、対戦型練習での勝率が4%向上した。

② 練習後の安静時にTotal Power(LFとHFの総和) が明瞭に増加した。練習中と練習後で比較した数値をコントラスト値で算出した場合、香りを使用した方がコントラスト値は高く、ゲームによるデジタル疲労の回復率が香りのない時と比べて約4倍であったことが示唆される。

③ 睡眠時間が平均 8 時間から 9.1 時間に延長された。

④睡眠中のHF(副交感神経活動の指標)成分値に増加が見られ、緊張度が低い状態で眠っていたことが示唆される。

【被験者1】 MASA 選手(TwitterID:@tekken_masa) 所属:EQNX 主戦タイトル:鉄拳 7

練習中にグリーンの香りで気持ちが落ち着くという実感は多少あったのですが、結果として勝率が上がり、睡眠の質や時間などに違いが出たということに驚きました。この研究結果を見ることで香りに対する意識がすごく変わりました。普段長く過ごす空間(自分の部屋など)や睡眠の際、特に大会の前日などしっかり眠りたい日には、グリーンの香りを嗅ぎながら練習してみたいと思います。

◆研究結果【被験者2】
被験者2 では、3時間のゲーム練習中にグリーンの香気構成成分を使用した場合、香りを使用しない場合と比べて、①~③の3つの影響が観察された。

①3時間の練習のうち、反射反応をトレーニングする20分間の「コンボ練習」において、Total Power(LF と HF の総和) の値が有意に増加した。総自律神経の活性化により、注意・集中力が向上した状態であったと推測される。

②睡眠時間が平均6.5時間から8.04時間となり、平均で1時間30 分延長され、理想の睡眠時間とされる 8 時間に達した。

③ 睡眠中のHF (副交感神経活動の指標)成分値が、香りがない時と比べて 3倍以上増加し、緊張度が低い状態で 眠っていたことが示唆された。

【被験者2】みぃみ選手(TwitterID:@mimi00618) 所属:DIGITAL HEARTS Gaming 主戦タイトル:鉄拳 7 元々アロマが好きで寝室で使ったりもしますが、ゲームのパフォーマンス向上とは全く関係 ないと思っていました。オンライン対戦が盛り上がる時間帯が夜の為、夜遅くに寝る習慣をな かなか変えられないという悩みがあります。グリーンの香りを練習中に使うだけで、睡眠の質 を上げる事ができるのはすごくありがたいと思いました。試合直前にリラックスできるように、 短い睡眠時間でも質を上げられるように、香りが使えるといいなと思います。

◆考察 新しい生活様式で当たり前となったリモートワークやオンライン会議など、デジタル機器を使うシーンが大幅に増える中、ストレスや不眠の課題が多く上がり、その原因の一つとしてパソコンやスマートフォン操作による「デジタル疲 労」が挙げられる。今回の研究により、日中のストレス負荷のかかるデジタル作業中にグリーンの香気構成成 分(Restful Green)を使用することで、睡眠不足や質の低下に対して香りがより効果的にアプローチできる可能性があると考える。

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