ホテルでのコロナ療養者のフォローで実感したこと 新宿区 さこむら内科院長 迫村泰成

 6月の日曜日、医師会からの紹介で指定のホテルに行き、コロナ療養者のフォローをしましたので報告します。同ホテルを含め、4か所のホテル療養者のリモート診療がメインの仕事です。

 第4波を越えて東京は落ち着いているように見えますが、4カ所で290名近い入所者が療養中です。日曜日のうちに、そのうち5名が酸素化不良となり病院搬送となりました。症例の多くは入所後も発熱が持続、発症後3-6日目くらいで保たれていた酸素飽和度が落ちます。安静時は96%以上ありますが、少し歩行すると92%くらいまですぐに低下します。息苦しさは必ずしも伴わない方もいます。軽労作での数値低下が搬送判断のキーポイントではないかと感じました。医師の申し送りノートがあり、それを見ると毎日必ず数名の病院搬送症例が出ていますね。

 毎日看護師が詳細にデータをモニタリングし電子カルテに記載しています。軽症で入った人がどのように中等症・重症化していくか、まとめれば、今後自宅待機者のフォローにもきっと役立つ本当に貴重な報告になるのではと思いました。

 搬送以外にも不安を訴える人やコロナ以外の疾患診療があり、結局1日外来をしているような感じ、ぜんぜんヒマではありませんでした。増悪する患者を自分の眼で確かめることができ、コロナに携わる医師は皆一度経験した方がいいかもと思ったくらい、ホテル勤務たいへん勉強になりました!

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