ファセンラ 重症喘息患者のP3試験で最長5年間の安全性・有効性を確認  アストラゼネカ

 アストラゼネカは24日、ファセンラ(ベンラリズマブ)について、好酸球性重症喘息患者を対象としたP3相非盲検 MELTEMI 延長試験のデータを含む新たな統合解析において、最長5年間の安全性と有効性が確認されたと発表した。分析結果は、成人重症喘息患者を対象とした以前のP3試験と一致した。
 同結果は、19日に開かれた2021年米国胸部疾患学会(ATS)の国際会議において報告された。
 BORA 試験および MELTEMI 延長試験の期間中、有害事象および重篤な有害事象の発現率は、主要P3相試験でみられたプラセボ投与群での発現率を超えるものではなかった。
 8週ごとにファセンラの投与を受けた患者において、重篤な感染症、過敏症および悪性腫瘍の発現率はそれぞれ5例(1.1%)、23 例(5.2%)および3 例(0.7%)で、治療期間中に死亡例はみられなかった。
 また、非盲検期間中に最も多く報告された有害事象として、鼻咽頭炎53例(11.9%)、喘息33 例(7.4%)、頭痛22例(5.0%)および気管支炎19 例(4.3%)が挙げられる。これらのデータは、ファセンラの安全性プロファイルを支持するものである。
 副次的評価項目に関し、ファセンラは、先行P3試験であるSIROCCO試験 、CALIMA試験、ZONDA試験、およびBORA試験においてみられた増悪率の抑制を持続し、年間喘息増悪率(AAER)は5年の治療期間中一貫して低いままであった。
 高用量の吸入ステロイド薬(ICS)投与を受けている血中好酸球数が 300cells/µL 以上の被験者中、ファセンラの投与を8週間ごとに受けた被験者におけるAAERは、先行試験において、治療前の3.1回/年から0.5回/年に低下し、更に非盲検試験の4年目までに、0.2 回/年に低下した。
 同じ治療群において、被験者の59%は、4年間の非盲検期間中(BORA 試験および MELTEMI 試験)増悪を経験することはなく、少なくとも 75%の被験者は毎年増悪を経験することがなかった。
 同試験の最後の年にも、被験者の 87%において増悪はみられなかった。
ファセンラは、現在、米国、EU、日本、その他数カ国において 6、重症喘息治療の追加療法として承認されており、米国とEU8においては自己投与が承認されている。
 米国のFDAは、ファセンラに対し、2018 年 11 月には好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)治療薬として、2019年2月には好酸球増加症候群 (HES)治療薬として、2019年8 月には好酸球性食道炎(EoE)治療薬として、希少疾病治療薬指定を付与している。

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