小野薬品は20日、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボ単剤療法について、進行悪性黒色腫のファーストライン治療の6.5年の追跡調査でも、引き続き持続的な長期生存ベネフィットを示したと発表した。
同発表は、提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が、19日に公表した無作為化二重盲検P3相CheckMate-067試験の新たな6.5年データによるもの。
最短6.5年の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法群の全生存期間(OS)の中央値は72.1カ月(95% CI:38.2-NR)であった。これは、進行悪性黒色腫に対するP3相試験で報告された最長のOSの中央値である。OSの中央値は、オプジーボ単剤療法群で36.9カ月(95% CI:28.2-58.7)、ヤーボイ単剤療法群では19.9カ月(95% CI:16.8-24.6)であった。
また、オプジーボとヤーボイの併用療法群の6.5年無増悪生存(PSF)率は34%(中央値11.5カ月)、オプジーボ単剤療法群では29%(中央値6.9カ月)、ヤーボイ単剤療法群では7%(中央値2.9カ月)であった。
追跡調査で生存していた併用療法群の患者49%のうち、77%(145例中112例)が無治療であり、その後の全身療法を受けていない。同様の患者の割合は、オプジーボ単剤療法群で69%(122例中84例)、ヤーボイ単剤療法群では43%(63例中27例)であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法群またはオプジーボ単剤療法群では、BRAF変異陽性、野生型、ベースライン時に肝転移を有する患者を含む関連サブグループ全体で、持続的な臨床ベネフィットが維持された。
BRAF変異陽性患者における6.5年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で57%、オプジーボ単剤療法群で43%、ヤーボイ単剤療法群で25%であった。
BRAF野生型患者における生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で46%、オプジーボ単剤療法群で42%、ヤーボイ単剤療法群で22%であった。肝転移を有する患者における生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で38%、オプジーボ単剤療法群で31%、ヤーボイ単剤療法群で22%であった。
奏効期間(DOR)の中央値は、併用療法群とオプジーボ単剤療法群で未達だったのに対し、ヤーボイ単剤療法群では19.2カ月であった。
オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでの結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。
また、5年時点の解析以降、新たに発生した治療に関連する死亡例はなかった。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、併用療法群の59%、オプジーボ単剤療法群の24%、ヤーボイ単剤療法群の28%で報告された。
CheckMate-067試験の6.5年データは、6月4~8日に開催される2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で、6月6日に発表される。
◆メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター、ヒューマン・オンコロジー・アンド・パソジェネシス・プログラム、がん免疫療法サービス主任のJedd D. Wolchok氏(M.D.、Ph.D.、FASCO)のコメント
オプジーボを含む療法、特にオプジーボとヤーボイの併用療法で示された全生存期間と無増悪生存期間の持続的なベネフィットは、進行悪性黒色腫患者に関する長期間の有効性の概念を覆した。
CheckMate-067試験のこれらの新しい結果では、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の半数近くが6.5年時点で生存されており、進行悪性黒色腫患者における同併用療法の持続的なベネフィットを裏付けている。