シミックHDとMONETは15日、医療MaaSに特化した事業開発プログラム「MONET LABO(モネラボ)『医療』」を6月から開始し、共同で運営すると発表した。
モネラボの開設は、医療・ヘルスケア領域で新たなMaaS(Mobility as a Service)事業の創出を目指す企業を支援することを目的としたもの。まずは、5月に、「MONETコンソーシアム」の加盟企業などを対象にプログラムの創設イベントを開催し、その後参加企業の受け付けを開始する予定だ。
超高齢社会の日本では、移動手段の少なさなどによる患者やその家族の通院の負担、在宅医療患者数の増加に伴う医療従事者への負荷増大など、医療・ヘルスケア領域においてさまざまな課題が生じている。
シミックHDとMONETは、こうした課題を解決するための医療MaaS事業の創出について、1年以上にわたり協議を重ねてきた。昨年10月と11月には、「MONETコンソーシアム」の加盟企業を対象に、医療領域での新規事業開発をテーマとしたワークショップを実施しており、参加企業(延べ24社)のうち多くの企業から「医療MaaS領域での事業創出の場に参画したい」という声が寄せられた。
そこで、両社は、医療・ヘルスケア領域のさまざまな課題を解決する新たなMaaS事業の創出を推進するため、医療MaaSに特化した事業開発プログラム「MONET LABO『医療』」の設立を決定した。
「MONET LABO『医療』」は、MaaSの事業開発を加速するための法人向けプログラム「MONET LABO」の中で、医療MaaSの事業開発に特化したプログラムとして運営するもの。
プログラムへの参加を希望する「MONETコンソーシアム」の加盟企業は、別途会費(税込み55万円/年)を支払えば参加可能となる。
医療や医薬品、ヘルスケア領域におけるサービスプロバイダーとしてのエビデンスを構築するノウハウや、電子お薬手帳を基盤としたPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)システム「harmo(ハルモ)」などの先進技術の運用経験を持つシミックグループと、さまざまな自治体や企業と連携してMaaS事業を展開するMONETの共同運営により、異業種からの新規参入を含め、医療・ヘルスケア領域で新たなMaaS事業の創出を目指す企業を強力に支援する。
具体的には、シミックHDは、セミナーやワークショップの企画・運営と、複数の企業による自治体の課題解決に向けたプログラムを推進し、MONETは全般的な運営管理を行う。さらに、両社は、事業化に向けた実証試験の支援や、さまざまなヘルスケアデータの活用支援なども行う予定だ。
「MONET LABO『医療』」では、「親会」として、医療業界の事業構造の理解を深めるためのオリエンテーションや、医療MaaSの実装に向けた課題の共有や事例紹介のセミナーなどを行う。
また、具体的なテーマに応じて「子会」と称するプロジェクトを組成して参加する企業を募り、事業アイデアの創出からビジネスモデルの立案、自治体への提案と事業化に向けた実証実験の実施までを行う予定である。
各企業の技術やサービス、アイデアなどを融合させることで、患者と医療従事者の双方が使いやすく、継続性の高い事業を創出し、社会課題の解決を目指す。