3月中に新型コロナワクチン薬剤師サポート業務研修会開催  大阪府薬

“新型コロナワクチン接種時のお薬手帳活用の重要性”を訴求

 大阪府薬は、3月中に「新型コロナワクチン薬剤師サポート業務研修会研修会」を開催する。同研修会は、地域薬剤師会の新型コロナワクチン接種に関する担当者を集めて、ワクチン希釈・充填の実技研修の実施や手技を含めた全体の流れを説明するもの。8日の定例記者会見で乾英夫会長が明らかにした。
 新型コロナワクチン薬剤師サポート業務研修会研修会は、2月28日に医師・薬剤師・看護師の医療従事者が参加して開催された大阪府の“新型コロナワクチン接種のための大規模訓練”に基づいている。

乾氏


 同訓練には、大阪府薬の役員6名が参加し、「予診票の確認」→「コロナワクチンの希釈・充填」→「接種後の経過観察」→「書類への“接種済みシールの貼り付け」など、薬剤師が行うべき業務を遂行した。

道明氏


 実際、これらの業務を行った見地から道明雅代副会長は、「ワクチン接種後の経過観察は、通常、15分であるが、抗凝固薬や免疫抑制剤を服用している人では30分を要する」と指摘。
 その上で、「ワクチンを接種する人の免疫機能や肝機能が低下しているかどうかの判別は、薬剤師によるお薬手帳のチェックが望ましいと感じた」と述べ、「新型コロナワクチン接種時の“お薬手帳活用”の重要性」を訴えかけた。
 さらに、「国のマニュアルには、コロナワクチン接種時のお薬手帳持参についての文言はないが、大阪府が市町村に出すマニュアルには、お薬手帳の持参を明記してもらえるよう働きかけている」と強調した。
 一方、乾会長は、「新型コロナワクチンの集団接種において、地方自治体の多くから薬剤師に関与してほしいとの要望を受けている」と報告。
 さらに、「新型コロナワクチンの接種体制は、各自治体で決められる」とした上で、「大阪府薬としては、地域の薬剤師会が各自治体の要望に応えられるように引き続き支援できる環境整備を行っていきたい」と抱負を述べた。
 大阪府薬では、3月1~31日まで、保険薬局内の感染防止のための「患者の状況や連絡先を記載した」処方箋の受付状況と感染拡大防止対応調査を実施している。
 その主目的について山口泰秀専務理事は、「調査により、街の薬局に来ているコロナの疑いのある患者の実態を明らかにすることで、薬剤師もコロナ禍で活躍していることを訴求したい」と説明した。
 医療機関の中で薬局が蚊帳の外になっている慰労金にも言及し、「薬剤師連盟からも大阪府や地方自治体に薬局・薬剤師への慰労金を要望しているが、そのエビデンスになれば良い」と訴えかけた。
 また、大阪府薬では、コロナ禍の中、令和2年度の「医療安全・在宅医療推進のための研修会」や、「薬剤服用歴の記録と活用のための研修会」など、Web形式による研修会を随時開催している。

堀越氏


 堀越博一常務理事は、今後のWeb研修会の方向性について、「日本薬剤師研修センターでは、これまでのように集合研修ができないので時限的に特例としてWebを認めるいう形ではなく、リアルタイムでのWeb研修を集合研修とは別建ての研修とみなして、受講認定するように検討している」と明言。
 加えて、「日本薬剤師研修センターでは、3月15日より薬剤師研修・認定電子システム(PECS)による薬剤師の登録をスタートさせる。また、受講シールを廃止して、Webで点数管理していく形式も進められていて、本年、9月くらいには実施される」と紹介した。

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