ロート製薬は15日、全国の18~44才の男女を対象に「妊活」の実態ならびに新型コロナウイルスの影響による意識や行動の変化を調査し、その結果を『妊活白書2020』として公開した。妊活白書2020は、ロート製薬が2018年から「妊活」に対する知識・理解の普及を目的に実施している「妊活」に対する意識調査の一環として行われたもので、調査概要と結果、専門家からのアドバイスは次の通り。
【調査概要】
◆調査期間:2020年12月5日~12月6日◆ 調査地域:全国◆調査方法:インターネット調査調査対象◆スクリーニング調査:18~44才男女(未既婚、子どもの有無を絞り込まずに配信)1万9795名
◆本調査:① 25~44才 既婚男女(子どもはいない、現在子どもを欲しいと思っている)800名② 18~29才 未婚男女(子どもはいない ※妊娠中の人は除く)400名
【調査結果】
男性の妊活意識が大幅にアップ!
子どもを望む男女の中で、「ふたり妊活」に取り組む人が増えている。特に、男性の増加が顕著で、比較的妊活に消極的だった男性が、妊活の意識を高めていることがわかる。
男性が感じている「妊活」についてのイメージも、「つらい」「大変」というイメージが減った。より前向きに妊活を捉えだしているようだ。
[男性にとっての「妊活」とは?]
妊活意識を高くもつ「ふたり妊活できている」男性は、夫婦で家族設計についてきちんと話し合ったり、身体を整えたり、排卵日にあわせて夫婦生活を行うなど、女性と協力して、積極的に妊活を進めていることがわかる。
[既婚男性の63%が「子どもができにくい」体質不安をもっている!]
なんと63%の既婚男性が、将来子どもができにくい(できないかもしれない)体質だという不安を抱えていることがわかった。77%を超える女性と比較すると少ないが、どの年代においても不安を感じていることがうかがえる。
[自分は「精子に問題があるかもしれない」!? ] 体質不安の要因を詳しく聞くと、周囲の知人や芸能人のニュースなどで不妊の情報が入ってくる中、結婚・出産年齢の高まりは男性にも不安を与えていることがわかった。年齢や不妊のニュースだけでなく「精子」や「性機能」への不安を抱えてること人も多いようだ。特に、30歳以上の既婚男性の5人に1人は精子に問題があるかもしれないと感じており、不安を解消する手立てが求められる。
[精子のセルフチェックは、認知率50%も!]
昨今話題にのぼることも多い、精子のセルフチェック。名前を聞いたことがある人は男女ともに50%を超えている。排卵日予測検査薬に比べると低くはあるが、セルフ妊活への関心度がうかがえる。だが、まだ使用率は低く、3.8%にとどまっている(前出グラフ参照)。男性の妊活意識の向上が、次には行動変化につながっていくことが期待される。妊娠・出産についての知識の男女差もまだありるが、「ふたり妊活」の高まりで埋まっていくと予想される。
[新型コロナウイルスの影響で、男性妊活はこう変わった!]
新型コロナウイルスの影響で、約半数の男性が「それ以前と比べて情報入手先や相談相手が変化した」と答えた。特にパートナーとより話し合うようになるなど、ふたり妊活の推進につながったようだ。オンラインによる診療や妊活情報の収集など、今できる取り組みを模索している様子もうかがえた。
また、自分のライフプランや家族のことをより考える時間が増え、健康やパートナーの気持ちを気遣うようになるなどの意識変化も見られた。新たにサプリメントやセルフ検査キットの使用を始めるなど、積極的な活動をスタートした人も少数ながらいるようだ。
[こんなホンネがあった]
2020年は妊活において様々な制限がかかる年となった。不安な気持ちを抱える夫婦に少しでも寄り添いたいと思い、今の「妊活」に関する次の声を集めた。
・「パートナー無しでは生きていけないと改めて認識できた。(男性・28歳)」
・「仕事する時間が減り、考える時間が沢山出来たり、気持ちに余裕が出来たことにより、将来設計が出来て、より妊活に取り組むようになった。(女性・41歳)
・「妻をサポートする時間 が増えて仲良くなった。(男性・38歳)」
・「家族の大切さが身に染みた(女性・34歳)」
・「免疫力を高めようとストレスを溜めないように心がけ、規則正しい生活を送るように心がけた(女性・28歳)」
・「結婚して家庭を持ちたいと思った。(男性・26歳)」
・「普通に出来ていた事が当たり前ではなかったと知ることが出来た。周りの人の優しさを改めて感じた。(女性・28歳)」
・「リモートワークになり、通勤時間が無くなったため時間が有効に使えるようになったのでジムに行ったり、睡眠時間が多くとれるようになった。(男性・24歳」
・「時間やお互いの存在を大事にしようと思える機会が増えた。今までは定期的に海外に旅行していたが、それもできなくなり、子供についても真剣に考えるようになった。(女性・30歳)」
「妊活白書2020」: https://jp.rohto.com/-/Media/com/dotest/common/pdf/hakusho2020.pdf
ロート製薬では、これからも「赤ちゃんが欲しい」と願う夫婦の気持ちに寄り添いながら、世の中が大きく変化する状況下でも「自分たちの妊活」を見つけていくふたりを応援していく。
【専門家からのアドバイス】
大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室教授木村正氏
男性が妊活への意識を高めてきているのは、とてもよい傾向だと感じている。妊活は、女性だけが行うことではない。女性が体の状態を調べたり、整えたりと妊娠に向けた準備をするように、男性も「自分の精子の状態を調べたり」、「喫煙やパンツの中の温度上昇など精子産生によくないことを避ける」、「栄養に気を配りストレス対策も行って健康的な生活を送る」など、できることを積極的にみつけ、「ふたりで一緒に妊活を」するのが理想である。
お互いを思いやりながら、同じ気持ちで取り組めると良い。精子の数は調べる日によって大きく変わり、妊娠するかどうかは精子の数だけでは決まらない。だが、「排卵直前のタイミングで性交渉をもつと、妊娠したカップルの9割近くが6周期以内に妊娠した」という報告がある。 従って、6周期チャレンジしてうまくいかない時は何かの手助けがいることが多い。ぜひ、二人で産婦人科を受診していただきたいと思う。