米リボン社と新規有力抗がん剤でライセンス契約締結 　小野薬品

　小野薬品は2日、米リボン社と同社が固形がんを対象にP1試験を実施中のPARP7（ポリADPリボースポリメラーゼ7）阻害剤「RBN-2397」に関するライセンス契約を締結したと発表した。
　RBN-2397は、がん細胞の生存にとって重要な役割を果たす分子であるPARP7を阻害することで、腫瘍増殖を直接抑制し、加えてがん細胞に対する免疫応答を高める新たな抗がん剤として期待されている。
　同契約の締結に伴い、小野薬品は、日本、韓国、台湾およびASEAN諸国においてRBN-2397を独占的に開発および商業化する権利をRibon社より取得する。
　これにより、契約一時金として17億円、開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大137億円をリボン社に支払う。
　また、小野薬品は、前述した地域におけるRBN-2397の売上高に応じて一桁台後半から二桁台前半のロイヤルティをリボン社に支払う。
　相良暁小野薬品代表取締役社長は、「細胞のストレス応答経路を狙い、個別化医療を目指した新たな抗がん剤を開発するパイオニア企業のリボン社と協働できて嬉しく思う」と明言。
　その上で、「RBN-2397は、腫瘍増殖の直接抑制に加え、がん細胞に対する免疫応答を高めるという2つのメカニズムを有するため、有力ながん治療薬になると期待している。当社のがん領域での経験とノウハウを活かして、リボン社と共にRBN-2397の開発に取り組んでいきたい」と抱負を述べている。
　一方、Victoria Richonリボン社社長兼CEOは、「この提携は本プロジェクトを戦略的に拡大するものであり、ストレス応答経路を標的にした我々の薬剤をできるだけ多くのがん患者に届けるという我々のミッションを推進するものである」と強調。
　さらに「PARP7は、がん細胞の生存の鍵となる分子であるため、RBN-2397はPARP7陽性の腫瘍に対する有力な治療法となると確信している。RBN-2397の価値を最大化し、日本・韓国・台湾およびASEAN諸国の患者に本剤を届けるべく、腫瘍免疫領域におけるグローバルリーダーである小野薬品との協働を楽しみにしている」とコメントしている。