アストラゼネカは28日、大阪本社、東京支社、米原工場、全国の支店・営業所を含む日本における事業所で 2020年に消費した電力量を、J-クレジット制度の活用を通じて、再生可能エネルギー100%を達成したと発表した。
J-クレジット制度は、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組みを通じて、CO2 など温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証するもの。「クレジット」は、国際的に Renewable EnergyCertificates(RECs)として使用が認められている。
今回、アストラゼネカは、再生可能エネルギーの取り組みを通じて創出された温室効果ガス等の削減量をクレジットとして活用した。
「サイエンスの限界に挑戦し、患者さんの人生を変える医薬品を届ける」を理念とするアストラゼネカにとって、「健康(Health)」はビジネスの中核である。人々の健康(Healthy People)、地球の健康(Healthy Planet)、ビジネスの健康(HealthyBusiness)の実現が持続可能なビジネス成功に向けてその基盤を成すと考えており、「医療へのアクセス」、「環境保全」そして「倫理と透明性」の3分野を柱にして、サステナビリティの取り組みを積極的に展開している。
アストラゼネカは、グローバルで環境保全の取り組みとして、環境負荷を可能な限り軽減しながら企業活動を行う持続可能なエコシステム構築に向け、事業運営を100%再生可能なエネルギーで賄うことにコミットする「RE100」、事業活動で使用する輸送車両の 100%ゼロエミッションを目指す「EV100」、事業のエネルギー効率倍増を目標とする「EP100」といった国際的な環境イニシアチブに参画している。
さらに、 2020年1月には、グローバル規模で2025 年までに事業からの二酸化炭素排出量をゼロにし、2030年までにバリューチェーン全体にわたってカーボンネガティブを実現する野心的な計画「アンビション・ゼロカーボン」を世界経済フォーラムの年次総会で発表している。この目標を達成するために、最大 10 億ドルの投資計画を発表している。計画には、世界で5千万本の植林も含まれている。
アストラゼネカは、日本においても環境保全に関わる様々な取り組みを加速しており、事業所や工場で使用する電力を J-クレジット制度を活用した再生可能エネルギーへ転換することは、その一環である。アストラゼネカが 2020年に大阪本社、東京支社、米原工場、全国の支店を含む日本における事業所において消費した電力は、合計1万3565 MWh 。
アストラゼネカはこの他にも日本で、環境保全に関わる次の取り組みを行っている。
◆JCLP への加盟
アストラゼネカは 2020年11月に、脱炭素社会への移行を先導する日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)賛助会員に加盟した。企業の枠を超えた気候変動に対する取り組みに積極的に参加していく
◆オフィスにおける紙の削減
電気・紙資源の使用量削減のため、削減目標を会社全体で設定し、研修や申請資料の電子化など具体的な取り組みを進めている。2020 年は前年度比マイナス 37%、471 万枚の紙の量の削減を達成した。活動開始年2018年比では、46%に相当する紙資源695万枚を削減した。
削減した紙を積み上げると東京タワーの高さに匹敵する(前年比)。
◆プラスチックゴミの削減
プラスチックゴミ削減の第一歩として“ペットボトル・ゼロ”キャンペーンを行っている。大阪本社、東京支社および米原工場の自動販売機から全てのペットボトルを撤去した。オフィスではウォーターサーバーの拡充を図り、社員のマイボトル持参を推進している。また、大阪府との包括連携協定(2021年1月20 日発表)の一環として、「おおさかプラスチックごみゼロ宣言」の趣旨に賛同し、プラスチックごみゼロに向けた取組みを宣言した。
同様に大阪府の推進するマイボトルの普及による使い捨てプラスチック容器の使用削減を進める「おおさかマイボトルパートナーズ」にも参加している。
(関連リンク: http://www.pref.osaka.lg.jp/eneseisaku/kaiyoplastic/index.html)
◆営業車のエコカーへの切り替え
社員が営業で使用する車を、ハイブリッドカーに移行している。2020 年には全車両の 84%をハイブリッドカーに切り替えた。さらに、 EV100 参加企業として、2025年までに上記営業車を全て、電気自動車に置き換える。
◆アドプト・フォレスト活動の実施
大阪府のアドプト・フォレスト活動に参画し、大阪府岸和田市稲葉町において地域のニーズに合わせた竹林整備や間伐、下草刈りなど、里山の環境保全の取組みを行う。
◆米原工場での取り組み
日本市場向け製品の検査・包装・品質管理を行うアストラゼネカ米原工場(滋賀県米原市)では、最新の省エネ設備への置き換え等により、2020 年末時点で 1 ㎡あたりの電気消費量を対2015 年で約 20%削減した。
今後、数年以内に敷地内にソーラーパネルを設置し、米原工場で使用する電力の一部を自家発電で補う予定である。また、工場から排出される段ボール等の古紙をトイレットペーパーに再生し米原市に毎月300 ロールを寄付(2008年より継続)、琵琶湖湖岸において役員を含む有志社員による清掃活動を実施(2019 年より継続)するなど、地域の環境保全に貢献している。