フォシーガ 慢性腎臓病治療薬で厚労省が優先審査品目に指定  アストラゼネカ

 アストラゼネカは28日、SGLT2阻害剤フォシーガ について、27日に厚労省より慢性腎臓病治療薬として優先審査品目の指定を受けたと発表した。
 優先審査は、希少疾病用医薬品、先駆け審査指定医薬品の他、重篤な疾病かつ既存治療と比較して有効性・安全性が医療上明らかに優れていると認められた医薬品について、厚労省が優先的に審査を行うもので、同指定は、P3相DAPA-CKD試験の結果に基づいている。
 DAPA-CKD 試験は、日本人を含む2型糖尿病合併の有無を問わない慢性腎臓病患者を対象としたSGLT2阻害剤の初めての腎アウトカム試験である。
 同試験でフォシーガは、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生による主要複合評価項目の発現リスクを39%低下させた(p<0.0001)。
 絶対リスク減少率(ARR)は、中央値 2.4 年の試験において 5.3%であった。この試験はまた、プラセボと比較して全死亡のリスクを有意に31%低下する(ARR = 2.1%、p=0.0035)など、全ての副次的評価項目を達成した。試験結果は昨年8月に発表され、The New England Journal of Medicine に掲載されている。
 フォシーガは、国内で、2014年3月に「2型糖尿病」、2019 年 3 月に「1 型糖尿病」、2020 年 11 月に「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」の適応症を取得しており、2020年12月に慢性腎臓病に対する効能・効果の製造販売承認事項一部変更承認を申請している。

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