新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」の低中所得国への幅広い提供でMPPとライセンス契約 塩野義製薬

 塩野義製薬は4日、同社が現在開発中の新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、国連が支援する公衆衛生機関であるMedicines Patent Pool(MPP、本部:スイス ジュネーブと、同薬が薬事承認取得後に、低中所得国(LMICs)に広く提供することを目的としたライセンス契約を締結したと発表した。
 両者で合意された同契約に基づき、MPPはLMICsへのゾコーバを広く提供することを目的に、適格な品質で同薬を製造可能なジェネリック医薬品メーカーに対して、同薬の生産および供給に関するサブライセンスを付与することができ、117ヵ国に同薬を供給することが可能となる。
 なお、塩野義製薬は、WHOが新型コロナ感染症を国際保健上の緊急事態に指定している期間は、同契約の対象となる国で発生する売上に対するロイヤリティの受領を放棄する。
 なお、同件が塩野義製薬の2023年3月期 連結業績予想に与える影響は軽微である。
 
◆澤田拓子塩野義製薬取締役副会長のコメント
 塩野義製薬は、Medicines Patent Poolとの革新的なライセンス契約を通じて、新型コロナ治療薬のアクセス改善に貢献できることを誇りに思っている。
 本薬が薬事承認されたのちには、新型コロナ感染症の新たな治療選択肢として世界中のLMICsの人々への提供が可能となる。塩野義製薬は、基本方針に掲げる、常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供することに、引き続き取り組んでいく。

◆Charles Gore Medicines Patent Pool代表のコメント
 今回の公衆衛生に配慮したライセンス契約によって、LMICsに住む人々が新型コロナ感染症と戦うための適正な価格での治療選択肢を拡大することは、多くの死者数を生んでいるパンデミックに終止符を打つための我々の取り組みを後押ししてくれるものだ。
 また、MPPと塩野義製薬の関係はこれが初めてではない。MPPとヴィーブ社との契約を通じてLMICsに広く提供されているHIV治療薬のドルテグラビルは、塩野義製薬からヴィーブ社にライセンス供与されたものである。今回の塩野義製薬との提携は、MPPにとって初の日本企業とのパートナーシップです。このパートナーシップが、今後、他の企業との提携を加速するきっかけになることを期待している。

◆Philippe Duneton(博士)Unitaid1の代表のコメント
 ゾコーバのような経口抗ウイルス薬が使用可能になることは、新型コロナ感染症による死亡や重症化を防ぐために重要である。我々は、塩野義製薬とMPPが署名したライセンス契約を歓迎する。
 この契約締結により、規制当局に承認された後、LMICsにおける経口抗ウイルス薬であるエンシトレルビルへのアクセスが可能となる。資源に乏しい環境を含め、世界のあらゆる場所で多様な製品が容易にかつ安価に入手可能であることは非常に重要なことである。

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