大日本住友製薬は27日、開発中のレルゴリクスとエストラジオール・酢酸ノルエチンドロンの併用療法における子宮内膜症に伴う痛みを対象としたP3試験(SPIRIT 試験)の継続投与試験で、良好な1 年間(52週間)の解析結果を得たことを明らかにした。米国連結子会社のマイオバントと提携先のファイザーが26日(現地時間)に発表したもの。
同試験において同併用療法群は、月経困難症および月経に起因しない下腹部痛について1年間にわたり臨床的に意義のある改善を示し、骨密度の低下も最小限で安定するなど、SPIRIT1試験およびSPIRIT2 試験で24週間にわたって認められた有効性および安全性と整合した結果が得られた。
これらの結果は、2021年前半に予定している子宮内膜症を適応症としたレルゴリクス配合剤のFDAへの新薬承認申請資料に含まれる予定である。
同試験の結果、1年間にわたり本併用療法を受けた患者のうち、84.8%で月経困難症の臨床的に意義のある改善を示し、73.3%で月経に起因しない下腹部痛の臨床的に意義のある改善を示した。
月経困難症に伴う痛みを評価する数値評価尺度(0 点から10点の11段階で構成)では、同併用療法群は1年間で、平均 82.8%スコアが減少(7.4:激しい痛みから 1.3:軽度の痛み)した。
骨密度は、24週までの臨床的に影響のない最小限の減少が52週まで安定して続いた。1 年間投与時の有害事象の発現率は、SPIRIT1試験および SPIRIT2 試験の結果と整合しており、安全性に関する新たな懸念は認められなかった。
同併用療法群で10%以上発現した有害事象は、頭痛、鼻咽頭炎、ホットフラッシュであった。また、同併用療法群(n=278)で1名の妊娠が報告された。
SPIRIT1試験および SPIRIT2試験の結果は、アメリカ生殖医学会(ASRM)2020 で発表済み。同試験結果の詳細は、今後、医学学会や医学ジャーナルで公表される予定である。