過活動膀胱治療剤ビベグロン 米国で承認取得  大日本住友製薬

 大日本住友製薬は24日、米国連結子会社のユーロバントが、ビベグロンについて、成人の切迫性尿失禁、尿意切迫感および頻尿の症状を伴う過活動膀胱(OAB)を適応症としての承認をFDAより取得したと発表した。
 同剤は、2012年以来初めてFDAに承認された OABの新規経口治療剤で、ユーロバント社は同剤を2020年度第 4半期(2021年1月~3月)の後半に米国で発売する予定である。
 FDAの承認は、同剤75mgを12週間投与した二重盲検プラセボ対照のP3試験(EMPOWUR 試験)および EMPOWUR 試験の継続投与試験を含む4000人以上の OAB 患者を対象とした広範な開発プログラムの結果に基づくもの。
 ジム・ロビンソンユーロバント社の社長兼CEOは、「今回の承認は、当社にとって初めての承認取得であり、数千万人のOAB患者のみならず当社にとっても重要なマイルストンとなる」と明言。さらに、「今後も、泌尿器疾患に苦しむ患者のアンメット・メディカルニーズを満たす新しい治療薬の開発にも引き続き取り組んでいく」考えを示している。

コーネリア・ハーグ・モルケンテラーユーロバント社 Chief Medical Officerは、「臨床試験において本剤は、75mg1日1回投与で頻尿、切迫性尿失禁および尿意切迫感を軽減させるなどOABの主要な症状に対して明確な有効性を示した。また、尿意切迫感回数を減少させるデータが本剤の添付文書に含まれており、既存薬と比べ特長的な点である」と説明。「これは、本剤がOABの特徴的な症状に直接影響することを示しており、OAB患者および医療提供者にとって重要なデータである」と強調する。
 ボストン セントエリザベスメディカルセンターの泌尿器科医で治験責任医師のデービッド・スタスキン氏は、「本剤は、用量の漸増を必要としない1日1回の錠剤として利用できる初のβ3作動薬であると指摘。その上で、「特筆すべき点は、高血圧の有害事象の発現頻度がプラセボ群と同程度であることが EMPOWUR試験で示され、また CYP2D6 で代謝される薬剤との相互作用は認められなかった点である」と力説し、「多くの一般的な薬剤がCYP2D6で代謝されるためこの特長は重要である」と訴求する。

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