小野薬品は15日、ChordiaとChordiaのリンパ球系の血液腫瘍に対する抗腫瘍効果が期待されるMALT1 阻害剤「CTX-177」およびその関連化合物に関するライセンス契約を締結したと発表した。
Chordia は、2017 年 11 月にがん領域に特化した研究開発型バイオベンチャーとして神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークに設立され、新しい作用機作を有する抗がん薬の研究と開発を行い、革新的な新薬の創出を目指している。
今回の契約締結に伴い、小野薬品は、全世界においてCTX-177およびその関連化合物を独占的に開発、製造および商業化する権利を Chordia より取得する。
小野薬品社は、契約一時金として8億円、P1試験開始時の開発マイルストンとして25億円、その後の開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大496億円をChordiaに支払う。また、同社は、CTX-177の全世界での売上高に応じて、一桁台後半から二桁台前半のロイヤルティをChordiaに支払う。
CTX-177 は、リンパ球系の血液細胞において、その細胞内シグナル伝達に関与することが知られている粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座 1(MALT1)に対する選択的な阻害剤である。
MALT1 の活性化は、リンパ球系の血液細胞のがん化に重要であると報告されており、CTX-177 は MALT1 の活性を阻害することにより、これらリンパ球系の血液腫瘍に対する抗腫瘍効果が期待される。
なお、CTX-177 の前臨床試験に関する結果は、本年12月5日から8日に開催された第62回米国血液腫瘍学会で発表された。