アストラゼネカは14日、選択的 SGLT2 阻害剤フォシーガについて、慢性腎臓病に対する効能追加申請を行ったと発表した。
同申請は、P3相DAPA-CKD 試験の結果に基づくもの。DAPA-CKD 試験は、日本人を含む、2型糖尿病合併の有無を問わない慢性腎臓病患者を対象としたSGLT2 阻害剤では初めての腎アウトカム試験である。
同試験でフォシーガは、腎機能の悪化もしくは死亡(eGFRの 50%以上の持続的低下、末期腎不全への進行、心血管死、腎不全による死亡)のいずれかの発生による主要複合評価項目の発現リスクを39%低下させた(p<0.0001)。試験結果は、2020年8月に発表され、The New England Journal of Medicineに掲載された。
慢性腎臓病は、腎機能の低下により惹起する進行性の疾患で、国内患者数は 1330 万人(20歳以上の 8 人に1人)と推定されているが、その多くは未診断の状態にある。
慢性腎臓病は、透析のリスク要因であるだけでなく、心不全をはじめとした心血管疾患の発症リスクを増加させるため、早期の診断および治療にるその進行を抑制が重要であるが、現在国内で慢性腎臓病を効能・効果として有する薬剤はない。
なお、現時点で、フォシーガの慢性腎臓病としての効能・効果が承認された国および地域はない。現在、日本で承認されているフォシーガの効能・効果は次の通り。
• 2 型糖尿病
• 1 型糖尿病
•慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。