ファイザーとバイオンテックは、20日にFDAに新型コロナワクチンの緊急使用許可申請(EUA)を行ったと発表した。FDAへの同申請に加え、両社は既にオーストラリア、カナダ、欧州、日本、英国を含む世界各国の規制当局への資料提出を開始しており、世界の他の規制当局への提出も直ちに行う予定である。
ファイザーとバイオンテックは、2020年に最大5000万回分、2021年末までに最大13億回分のワクチンを世界で生産することを見込んでおり、EUA取得から数時間以内に供給できるよう準備している。BNT162b2は95%の有効率を示し、これまでに重大な安全性の懸念は認められていない。米国では感染リスクの高い集団に対して、本年12月中旬から下旬よりワクチンが使用できる可能性がある。
同申請は、両社が実施しているP3試験において、2回目接種7日後から評価したSARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団(1つめの主要評価項目)、SARS-CoV-2感染歴のある参加者と感染歴のない参加者を含む集団(2つめの主要評価項目)の両方において、ワクチンの有効率が95%(p<0.0001)であったことに基づいている。
1つめの主要評価項目の解析は、170例の確定診断されたCOVID-19発症例を対象に実施された。加えて、今回の申請は、無作為割付された18歳以上の参加者から構成される約8000人の部分集団の反応原性を含む安全性データと、2回目接種後2ヵ月間(中央値)評価した約3万8000人の参加者からこれまでに報告された安全性データに基づいている。
また、約100人の12~15歳の青少年の反応原性を含む安全性データも含んでいる。P3試験全体の約42%、米国の参加者の約30%が人種・民族的に多様な背景を有し、全体の約41%、米国の参加者の約45%が56~85歳であった。
外部データモニタリング委員会(DMC)から、現時点でワクチンに関連する重篤な安全性の懸念は報告されていない。