尿素サイクル異常症治療薬の国内開発・製造販売でImmedica社とライセンス契約締結 シミックホールディングス

 シミックホールディングは、同社100%子会社のオーファンパシフィックがImmedica社とグリセロールフェニル酪酸に関する日本での独占的ライセンス契約を5月2日に締結したことを明らかにした。
 同契約により、オーファンパシフィックは、尿素サイクル異常症(UCD)治療薬「グリセロールフェニル酪酸」(海外販売名Ravicti)の日本における独占的開発・製造販売に関する権利を取得した。グリセロールフェニル酪酸は、既に米国および欧州で承認、販売されている。
 なお、オーファンパシフィックは、既に日本において、Immedica社よりブフェニール(フェニル酪酸ナトリウム)を輸入し、製造販売している。
た。
 尿素サイクルは、主に肝臓において、生体内で発生する有毒なアンモニア(NH3)を無毒な尿素に変える代謝経路である。UCDは、尿素サイクルに関与する酵素等に先天的な異常があり、高アンモニア血症などを呈する一連の疾患群です。嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣、意識障害、行動異常、発達障害などがみられ、時には命にかかわるような重篤な状態になる場合もある。
 多くは、乳幼児期に発症しますが、なかには成人になって初めて診断されるケースもある。8000~4万4000人に1人の頻度で発症し、指定難病の1つになっている。
 UCDによって引き起こされる血中アンモニア値の上昇を管理するために、現在、日本国内では、ブフェニールの錠剤と顆粒剤が使用されている。
 一方、海外では、Ravictiも広く使用されている。同剤は、グリセロールフェニル酪酸を含有し、無味無臭の服用しやすい経口液剤で、特に、乳児、小児の患者にとって利便性の高い製剤であるため、日本でもRavictiの使用が望まれてきた。
 オーファンパシフィックは、今後、日本国内でのグリセロールフェニル酪酸の承認取得を目指した治験を開始する予定だ。

タイトルとURLをコピーしました