PCR重視の風潮にちょっと異論     杉並区 柿田医院院長 柿田豊

 新形コロナウイルスの診断に関して、PCR重視のしすぎの風潮にはちょっと異論ありです。
 PCRは遺伝子のかけらでも拾い上げるため、実際のウイルス活性(感染性)を反映するものではないと言う説があります。つまりPCR陽性=感染性あり→隔離としている現状では、感染源となるおそれが低い人に対して過剰な対応をしているかも知れないと言うことです。
 個人的には実際に臨床の場で他者への感染性の懸念を判断するにあたり、発熱のほかには主に呼吸器症状、特異的な味覚・嗅覚異常のある人に注意すればかなりカバーできるのではないかと思っています。  
 無症状者からの感染も報告されていますが咳が出ないなら、感染対策はディスタンスとマスクで大体OKでしょう。現在高額なPCR(公費で18000円)で無症状の人を掘り起こしていることはどこまで意味があるのでしょうか。
 今は余計な検査拡充はせず、症状がある人もない人も、全員マスクして三密回避するだけというのがコスパ的にはベストだと思います。
 実際の現場ではより感度が低く、より安価(公費で6000円)な迅速抗原定性検査(インフルエンザみたいにその場で結果が出るやつ)で、見つかるなら見つけるぐらいで丁度良いんじゃないかと思っています。

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