再生・細胞医薬分野の CDMO 事業で合弁会社設立 住友化学と大日本住友製薬

 住友化学と大日本住友製薬は8日、合弁会社 S-RACMOを設立し、業務を開始したと発表した。合弁会社の設立は、2020年9月、再生・A胞医薬分野の製法開発、製造などの受託(CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization)事業展開を目的としたもの。
 再生・細胞医薬分野では、アカデミアやスタートアップ企業などでの生産体制の構築が開発・商業化上の課題となってる。住友化学と大日本住友製薬は、再生・細胞医薬の早期普及および産業化に貢献すべく、CDMO 事業に進出する。
 住友化学が有する iPS/ES 細胞の基盤技術や医薬品の受託製造に関するノウハウと、大日本住友製薬が再生・細胞医薬事業における複数のプロジェクトで培った高度な製法開発や製剤開発などのノウハウを生かす考えだ。
 再生・細胞医薬分野の CDMO 事業の市場規模は、2030年までに世界で約1.2 兆円に拡大すると予想されている。住友化学と大日本住友製薬は、グループシナジーを発揮して、同市場でのシェア獲得、CDMO に関わるA技術・ノウハウの蓄積および高度化に取り組む。
 また、CDMO 事業への進出を通じて、住友化学においては低分子や核酸に次ぐ医薬品製造受託事業の拡充によるライフサイエンス領域の事業拡大を、大日本住友製薬は再生・細胞医薬分野における事業の多様化、収益貢献および新たな提携機会の獲得を目指す。
 S-RACMOは、大日本住友製薬が所有する再生・細胞医薬製造施設「SMaRT」の一部、および大日本住友製薬の総合研究所(大阪府吹田市)内に今後新設される再生・細胞医薬製造施設を使用してCDMO事業を実施する計画である。
 また、大日本住友製薬は、S-RACMOによる製造を視野に入れ、CorneaGen Inc.(本社:米国ワシントン州)から日本における角膜内皮細胞(予定適応症:角膜疾患)の製造および製法開発を受託すべく、既に同社と交渉を開始している。
 合弁会社S-RACMOの概要は次の通り。
(1)会社名:S-RACMO株式会社
「S-RACMO」は、「Sumitomo」と「Regenerative And Cellular Medicine Organization」を組み合わせた造語。
(2)所在地:大阪府吹田市江の木町 33-94(大日本住友製薬の総合研究所内)
(3) 代表取締役社長:土田敦之氏(前大日本住友製薬リサーチディビジョン 研究企画推進部長)
(4)事業内容:再生・細胞医薬分野の製法開発、製造などの受託
(5)資本金:5000 万円
(6)設立年月日:2020年9 月1 日
(7)株主構成:日本住友製薬51%、住友化学49%

 ◆新設する再生・細胞医薬製造施設の概要:
(1)所在地:大阪府吹田市江の木町 33-94(大日本住友製薬の総合研究所内)
(2)規模:1階建て
(3)建築面積:約600㎡
(4)着工:2021年1月予定)
(5)完成:2021年12 月(予定)
(6)総工費:約11 億円

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