アンジェスは8日、スペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコの Er-Kim社と、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」のトルコでの導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結したと発表した。コラテジェンは、アンジェスが開発した遺伝子治療薬で、慢性動脈閉塞症の潰瘍症状を対象とする。
同契約により、Er-Kim社は、当局での薬事承認を取得後、トルコでの独占販売権を有し、コラテジェンに関する販売、マーケティング、現地での医療活動に関する役割を担う。
加えて、アンジェスとEr-Kim社は、薬事承認に先立ち、Named Patient Program(NPP)を活用したトルコでのコラテジェン提供を開始する。NPPは、特定の患者に代わって、医師からの要求に応じて、人道的見地から当該国で未承認の医薬品を提供するプログラム。
このプログラムによって、患者は、後期段階の臨床試験中の薬や他国で既に承認されている薬剤の提供を受けることが可能になる。
山田英アンジェス代表取締役社長は、「この協業により、コラテジェンの市場拡大が期待され、トルコの患者にとっても治療法の選択肢が増える」と強調した上で、「Er-Kim社のトルコ現地での実績と高い評価は、コラテジェンのトルコ市場での成功への力強い支援になる」との考えを示した。
一方Cem Zorlular Er-Kim 社 CEOは、「コラテジェンが承認されれば、もうひとつのマイルストーンを達成できることになり、トルコでの初の遺伝子治療用製品の承認となる。この重要なチャンスを実現できるように謙虚に努力していきたい」とコメントしている。
アンジェスは、2019年3 月、慢性動脈閉塞症を対象とした HGF遺伝子治療薬の条件及び期限付製造販売申請承認を取得し、同年 9 月に「コラテジェン」として田辺三菱製薬より国内で販売を開始している。同剤は、標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善を効能、効果又は性能とするもので、国内では初の遺伝子治療用薬となる。