14~16日、横浜でBioJapan/再生医療JAPAN/healthTECH JAPAN 2020開催

BioJapan / 再生医療JAPAN / healthTECH JAPAN 2020が14~16日の3日間、パシフィコ横浜で開催される。同展では、COVID-19をテーマとする主催者セミナーも開催され、診断、治療、そしてワクチン開発の最新情報を提供する。
 「BioJapan」は、国内外より大手製薬企業を始めとしたバイオ関連企業、研究機関・大学が一堂に会し、共同研究や事業提携先の探索を行うアジア最大級のパートナリングイベントである。展示会・パートナリング・セミナーの三つの柱で構成され、本年は約900社・団体が参加、会期中は参加者間で1万件以上の商談が行われる予定である。
 なお、今年はパートナリング・セミナーにおいてはオンラインを併用したハイブリット型の開催で世界初の試みとなり、オンライン商談・オンラインセミナー聴講など、開催会場のパシフィコ横浜だけでなく、国内外遠隔からの参加も可能になる。
 また、同時開催展「再生医療JAPAN」は今回が5回目。iPSを始めとした細胞医療の発展は目覚ましいものがあり、失った組織の再生から細胞を使った創薬まで幅広く市場が拡がっている。加えて、低コストの培養・加工のプロセス技術も格段に向上し、事業化を進めている企業や、再生医療業界への新規参入、業界内でのネットワーク構築を狙う企業・団体が参加する。
 加えて今年は「healthTECH JAPAN」を新規開催する。今後ますます非接触型が求められるwithコロナ社会において、遠隔医療や治療アプリのニーズが高まっています。今回、デジタルテクノロジーとヘルスケアの融合をコンセプトに、治療/健康に関するソリューションを一堂に集め、新しいマーケットの創出とこの分野でのビジネス促進を目指す。
 注目出展者・セミナーは次の通り(注目出展者記事一覧:https://www.ics-expo.jp/biojapan/ja/exhibitor_report_2020.html)

【バイオエコノミー】

 生物資源や生物工学技術を応用して社会課題を解決する試みである「バイオエコノミー」。医薬・創薬分野だけでなく、バイオ燃料やバイオ素材などジャンルは多岐にわたり、今後の社会において経済成長の核となる先進的なビジネスである。
環境省 ナノセルロースマッチング:木材などの植物を原料として、軽量でありながら高い強度や弾性率をもつ「セルロースナノファイバー(CNF)」を活用して自動車(ヴィークル)を作り上げるナノセルロース・ヴィークルプロジェクト。性能評価、二酸化炭素削減効果の評価・検証を通じて、自動車の省エネ化・軽量化による二酸化炭素排出削減に向けた社会実装を推進する。ブースでは、ナノセルロースヴィークルの実機を展示し、多様な分野での使用に向けた可能性を紹介予定。

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):エネルギー・地球環境問題の解決と持続可能な社会の実現に必要な技術開発を通じてイノベーションを創出するNEDO。今年は、デジタル技術を活用しての植物や微生物などの遺伝子設計や組換えにより、省エネルギー・低コストな高機能品生産の最新技術成果を紹介します。その他NEDO内ブースにはDNA・RNA編集に強みのあるエディットフォース、腸内細菌叢やその代謝物質解析を行うメタジェン、血圧低下・組織再生・抗炎症など多彩な作用を発揮するアドレノメデュリン(AM)の研究開発を行うひむかAMファーマ、ブロックチェーン技術を利用し不眠症治療用アプリの開発・AIデータ解析を行うサスメドなど、注目企業が多数出展。当日はNEDOプロジェクト実施各社によるプレゼンテーションも実施予定。

【注目セミナー】 

「脱炭素社会への移行 ~迫りくる気候危機と脱炭素化への対応~(仮)」 10月15日(木) 9:30-11:30

コーディネーター:高村 ゆかり氏(東京大学 未来ビジョン研究センター 教授)

「ウィズコロナ・ポストコロナ時代の「3つの移行」による経済社会のリデザイン(仮題)」
中井 徳太郎 氏(環境省 環境事務次官)

「バイオ戦略2020の推進に向けて① ~市場獲得を実現するデータ連携について~」 10月14日(水)13:00-14:30
コーディネーター:久保庭 均氏(一般財団法人バイオインダストリー協会 運営会議 議長)

【デジタル・ヘルスケア】

 遠隔診療や介護分野だけでなく、医薬・創薬分野においてもデジタル技術との連携・応用が期待されている。膨大な生体データを扱うためのバイオインフォマティクス、ディープラーニングなど進展が著しい人工知能(AI)、詳細なシミュレーションやデジタル計測など、常に新しい技術が開発されており、多くの分野に影響を与えている。

三井情報: バイオサイエンスのナレッジをクラウドにより解析環境ごと提供するMKI-DryLab for Microsoft Azureサービスや、質量分析器から得られたデータを丸ごと解析するマルチオミクス解析ソフトウェアなどの紹介を行う。

MOLCURE:製薬企業向けの創薬支援サービス「人工知能・進化分子工学・次世代シーケンサーを活用したペプチド・抗体分子探索」を提供する。高度なスクリーニングを効率的に行い、より多くの医薬品候補の探索を短時間で実現する。

シーエーシー:リズミルは心拍数を測定する画像解析ソフトウェアだ。身体への接触を必要としないため、様々なシーンでの活用が見込まれている。ブースでは、新しい機能や事例のご紹介、スマートミラーに実装したデモ機による測定を体験できる。

【注目セミナー】 

「デジタルヘルスの最前線」 10月15日(木) 15:30-17:00
コーディネーター:清水 良氏(田辺三菱製薬 執行役員 チーフデジタルオフィサー デジタルトランスフォーメーション部長)

「中外製薬のDxへの挑戦」 10月14日(水)~16日(金) オンデマンド配信

【再生医療】

2014年10月の再生医療関係法令の整備を契機に、多くの企業が再生医療分野に参⼊している。技術の発展は著しく、基礎研究はもちろんのこと臨床試験や実用化への取り組みが活発化しており、ビジネス展開・産業化はますます加速している状況である。

セルシード:2001年の創業以降、「細胞シート工学」を用いた再生医療等製品の事業化を進めてきた。細胞シート工学とは、細胞を1枚のシート状にして患部に移植するための技術であり、現在は食道再生上皮シートと軟骨再生シートの開発を進めている。これらの開発で培った技術を用いて、製薬企業や研究機関向けに細胞シートの受託開発・製造サービスを提供する。

ニコン:ライブセルイメージング技術をもとに画像解析ソフトウェアCL-Quantを紹介。染色することなく位相差画像から細胞数や動きを自動的に認識・計測できるため、非侵襲な細胞の解析が可能である。

【注目セミナー】 

「再生医療市場を支えるサポーティングインダストリーの課題と将来 」 10月15日(木) 10:00-11:30
コーディネーター:嶽北 和宏氏(Hyperion Drug Discovery 代表取締役社長)

「日立グループの細胞製造ソリューションのご紹介」 10月14日(水)~16日(金) オンデマンド配信

【新型コロナウイルス感染症COVID-19】
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、昨年末に中国で発生して以来、世界中で猛威を奮っている。国内においても油断を許さない段階ではあるが、ウイルスの特徴や対策に関する知見が多く得られるようになった。同展においても、COVID-19をテーマとする主催者セミナーを開催し、診断、治療、そしてワクチン開発の最新情報を提供する。(会期後に有料でのアーカイブ配信あり)

【基調講演】10月14日(水) 10:00-11:30 
「COVID-19の制圧および今後の拡大阻止に向けて(仮)」
尾身茂氏(地域医療機能推進機構理事長/新型コロナウイルス感染症対策分科会会長)
 地域医療機能推進機構理事長・新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏が登壇。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で副座長を務め、初期からCOVID-19の対策に注力してきた尾身氏が、これまでの取り組みや今後の対策などについて講演する。

【主催者セミナー】

COVID-19診断の最前線 10月14日(水) 13:00-14:30

 COVID-19の初期症状は一般的な風邪やインフルエンザと似ており、症状だけで鑑別するのは困難だ。COVID-19の診断では、初期ではPCR検査が実施されているが、検査費用・期間ともに課題があるのが現状である。「COVID-19感染対策における抗体検査について」、「COVID-19の実験室内診断法の概要」、「COVID-19感染対策におけるヒトゲノム解析の役割について」の3タイトルをもとに、COVID-19診断の最前線を紹介する。

緊急討論:我が国のCOVID-19ワクチン開発の現状 10月14日(水) 15:00-17:00
COVID-19の根絶にはワクチンが必須であり、現在も国内外でワクチン開発、臨床試験が進められている。ワクチンと一言に言っても、従来の不活性化ワクチンだけでなく、ウイルスタンパク質を作るDNAまたはmRNAを投与するDNAワクチン、mRNAワクチンなど、新たなアプローチも登場しているのが状況だ。同セミナーでは、日本の規制当局によるワクチンの有効性・安全性評価の仕組みから、各種ワクチンの開発状況について紹介する。

COVID-19治療の最前線 10月15日(木) 10:00-11:30
 現時点では、抗ウイルス薬によるCOVID-19治療に関する知見は限られている。厚生労働省の『新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き第3版』では薬物治療として、国内で承認されている医薬品はRNAポリメラーゼ阻害薬であるレムデシビルと、免疫調整薬であるデキサメタゾンが記載されている。同セミナーでは、コーディネーターに国立国際医療研究センター国際感染症センター国際感染症センター長である大曲貴夫氏を迎え、COVID-19治療の最前線を紹介する。

【その他注目セミナー】 

「新型コロナウイルスの高品質・高機能・高精度な診断と治療を実現する産総研の技術開発」10月15日(木) 13:30-14:30

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