武田薬品は25日、経口のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害薬「ゼジューラ」について、国内で卵巣がんに対する製造販売承認を取得したと発表した。適応疾患は、卵巣癌における初回化学療法後の維持療法、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法、白金系抗悪 性腫瘍剤感受性の相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌。
今回の承認は、海外臨床P3相試験であるPRIMA試験、海外臨床P3相試験であるNOVA試験、海外臨床P2相試験であるQUADRA 試験、ならびに日本人卵巣がん患者に対し安全性を検討した国内P2相試験のNiraparib-2001試験、日本人卵巣がん患者に対し有効性および安全性を検討した国内P2相試験の Niraparib-2002試験の結果に基づくもの。
Niraparib-2001試験、Niraparib-2002試験の治験参加施設の責任医師である青木大輔慶應義塾大学医学部産婦人科学教室教授は、「卵巣がんは女性特有のがんで、日本の罹患者数・死亡者数ともに年々増加しており、早期発見が困難なことから予後不良ながんとして知られている。また、半数以上の方が治療後再発のリスクがあり、不安を抱えながら過ごしている」と説明。
その上で、「ゼジューラは、卵巣がんの維持療法と、白金系抗悪性腫瘍剤感受性で相同組換え修復欠損を有する再発卵巣癌の適応を有するPARP 阻害剤である。ゼジューラは、これまでの抗がん剤とは異なる作用機序を有し、国内外の臨床試験において有効性が示されているため、卵巣がんの患者さんへの新たな治療選択肢となることが期待される」とコメントしている。
武田薬品は、2017年7 月に日本における独占的開発・販売権に関するライセンス契約をグラクソ・スミスクライン(本社:英国)と締結している。