2型糖尿病約「イメグリミン」国内製造販売承認申請 大日本住友製薬

 大日本住友製薬は30日、同日付けで2型糖尿病を適応症として、イメグリミンの国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。
 同剤は、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質で、同系統の化合物として初めて臨床試験が実施されている化合物で、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有している。
 また、2 型糖尿病治療において重要な役割を担う 3 つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考えられている。
 さらに、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されており、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性がある。
 今回の申請には、2 型糖尿病を対象とした3本のP3 試験(TIMES1、TIMES2、TIMES3)のデータが含まれている。これらの試験において、同剤は、日本人2 型糖尿病患者に対する単剤療法および既存の経口血糖降下剤またはインスリン製剤との併用療法のいずれにおいても、有効性・安全性および忍容性が確認されている。
 大日本住友製薬は、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象に、2017 年 10 月にフランス株式市場上場の製薬企業であるPoxel SAより同剤を導入した。なお、同社と戦略的提携に関する契約を締結している Roivant Sciences Ltd. の子会社であるMetavant Sciences が、米国および欧州における同剤のP3試験を計画している。
 現在、大日本住友製薬では、作用機序の異なる複数の2 型糖尿病治療剤を販売しており、同剤が承認されることで新たな治療選択肢を提供し、国内の2型糖尿病治療への一層の貢献を目指す。

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