アッヴィは27日、世界肝炎デー(7月28日)を機に、C型肝炎撲滅を加速させる拡充した取組みを開始したと発表した。同社では、WHOが掲げるグローバルレベルでの肝炎撲滅の実現に向けて、日本でもテレビCMを含むメディアでの疾患啓発活動や、広島県および広島大学との官民学の連携など、これまでもさまざまな活動を続けてきた。
今回は、まず、C型肝炎撲滅に向けた一歩であるマイクロエリミネーションを社内から実施するため、全社員約1200人とその扶養家族を対象にC型肝炎ウイルス(HCV)検査の費用を補助する取組みを開始する。マイクロエリミネーションは、国レベルの撲滅目標を地域や属性など特定の集団の目標に落とし込み、治療や予防に向けた取組みを迅速にまた効率的に進めることができるC型肝炎撲滅を達成するためのアプローチの一つだ。
次に、広く社会に向けたC型肝炎の疾患啓発を目的に、全国でソーシャルメディアを活用したキャンペーンを7月21日より開始している。日本は、先進国の中でもC型肝炎の罹患率が最も高い国の1つで、国内HCV感染者数は100万~150万人と推計される。肝炎ウイルスに感染してもほとんど自覚症状がなく、そのまま放置するとより重篤な肝硬変や肝臓がんに進行する可能性がある。日本の肝がんの原因の65%がC型肝炎と言われ、年間約3万人が肝がんで亡くなっている。こうしたC型肝炎のリスクやHCV検査と早期治療の重要性を啓発する動画を作成し、アッヴィのYouTube他、ソーシャルメディアを通じて配信する。
さらに、企業や業界の枠組みを越えて日本での肝炎撲滅を推進するため、アッヴィは、肝炎撲滅を目的に7月27日に設立された「肝炎撲滅プロジェクト」にC型肝炎に携わるリーディングカンパニーとして参加している。同団体は、製薬企業などが参画し、肝炎撲滅に向けた啓発活動や政策提言を策定するための調査などを行う。
1989年にHCVが発見されてから約30年、かつて有効な治療法がないとされてきたC型肝炎治療は進歩を遂げ、現在は飲み薬だけで短期間でHCVを排除する治療が可能になった。だが、肝炎ウイルスに感染しているにもかかわらず、検診や診断を受けず治療に至っていない潜在的患者さんが存在する。
アッヴィは、幅広い関係者と協力し、C型肝炎撲滅に向けた取組みの拡充により、一日でも早く、一人でも多くのC型肝炎患者の治療につなげ、日本での肝炎撲滅に貢献していく。