リモート研修会

 私の所属する市薬剤師会では、薬学生薬局実務実習の補習を行なっております。学校薬剤師の見学実習以外は、主に集合研修型をとっています。

 集合研修は各薬局では実習できないことや、学生からのリクエストも反映したものなど、年毎に改良を加え、変わりつつある状況に適応させての開催で、学生にも人気があるようです。
具体的には、症例検討会、薬剤師職業講話、保健所薬剤師の仕事や急病診療の仕事についての講演、吸入の手技指導などです。

 その集合研修に、今期は新型コロナ感染防止を考慮して、リモート研修を初めて採用しました。MRとCROの職業講話をズームミーティングで開催しました。職業講話に参加希望の学生に予めミーティングIDとパスワードを知らせ、ズームミーティングに入室後、聴講していただきました。司会者やプレゼンターの挨拶は顔を映しましたが、本題は声だけで、パワーポイントのデータを共有しました。いつもはホールに集まっての研修でしたので、実習期間の束の間の再会を楽しむというふれあいの要素があり、それが人気の正体と思っていましたから、今回はどうなることやらと心配でした。ところが質疑応答には普段より多くの質問が出て、思わぬ効果を得ることができました。シャイな学生さんには逆に話しやすかったのかもしれません。これらの結果を受けて、次の保健所や急病診療の講演もリモート研修にすることを決定いたしました。その他、症例検討会はグループワークを中心として行なってきましたが、こちらもリモートを検討中です。

 予期せぬ事態が起こった時に、どのように対応するか? 未経験のことが起こった時に、過去のうまくいかなかった事例を参考に、同じ失敗を繰り返すことのないように、いかに対応するか? 我々人間が知恵を出し合い、力をあわせて行動することが求められています。

 新型コロナ発生当初、まだ何の方針もない時に、急病診療の運営委員会の委員の方々が、起こりうるクラスターの発生を防ぐためにと議論を重ね、対応を編み出し、全力で協力されていたことを思い出します。幸運にもその場に居合わせ、先生方の意見や行動に多くの大切なことを学ばせていただきました。私もあやかって、困難な時にも皆と協力し、少しでも状況がよくなるように、慎重に考えて行動しようと思います。

                             薬剤師 宮奥善恵

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