天気痛は平均週2日発症し5人に1人が生活に支障   ロート製薬が「天気痛調査」結果報告

 ロート製薬は16日、ウェザーニューズと共に全国1万6000人を対象に実施した「天気痛調査」結果を公開した。同調査結果からは、「天気痛は平均週2日発症し、5人に1人が生活への支障がある」ことや、「症状緩和策にかける費用は佐賀県がトップで、痛くても我慢する県トップは青森県」などの実態が判明した。
 天気痛調査は、2020年3月から行っているロート製薬とウェザーニューズ両社の協業の一環として実施されたもの。推定1000万人以上いるとされる天気痛の症状の実態を調査を行うため、「ウェザーニュース」アプリおよびウェザーニュースのウェブサイトを通して「天気痛調査2020」を実施した。天気痛とは、気圧や天気の変化に起因する体の不調のことで、頭痛や関節痛、肩こりや腰痛など様々な症状がある。
 調査結果の主なポイントは次の通り。
 ◆日本人の約6割が天気痛の自覚あり、女性は約8割が天気痛持ち
 ◆症状第1位は頭痛。天気痛持ちの半数以上、女性は約6割が頭痛の症状あり
 ◆発生頻度は平均週2日、約3割は週に3日以上症状あり
 ◆予防策第1位は「天気予報をチェック」で約半数が実践、「特に何もしていない」トップは徳島県
 ◆対応策第1位は「薬を飲む」で約6割が実践、「ひらすら耐える」トップは青森県
 ◆症状緩和の費用は全国平均1814円/月、お金を一番かけているのは佐賀県で平均2697円/月
 ◆天気痛の半数以上が「我慢できない」と回答、5人に1人は学校・仕事を休むなど生活に支障あり
 ◆天気痛は2人に1人が雨の日に発症、女性の約3割は曇りの日でも発症
 ◆一番気にしているのは「気圧」、約8割が症状に関係ありと認識
 ◆台風接近時は天気痛持ちの約9割が、天気痛持ちでなくても約1割が体の不調を経験
 また、「天気痛調査2020」の詳細分析結果では、次のような結果が得られた。

 【日本人の約6割が天気痛の自覚あり、女性は約8割が天気痛持ち】
 「あなたは天気痛を持っていますか?」と質問し、“はい”“持っている気がする”“いいえ”から選択して回答を得た。全国1万6482人から寄せられた回答を集計した結果、全体の約6割が“はい”もしくは“持っている気がする”と回答し、天気痛の自覚があることが判った。
 性別で見てみると、女性の天気痛持ちの割合は約8割で、男性の天気痛持ちの割合を大幅に上回った。また、都道府県ごとに見てみると、天気痛持ちの方の割合は島根県がトップの66.7%だったほか、関東など東日本で多い傾向があった。

【症状第1位は頭痛!天気痛持ちの半数以上、女性は約6割が頭痛の症状あり】
 天気痛を持っている、もしくは、持っている気がすると回答した人に「天気痛で一番の痛み・症状はどれですか?」と質問し、“眠気”“頭痛”“吐き気”“腰痛”“肩こり・首こり”“関節痛”“めまい”“むくみ”“だるい”“その他”から選択を行った。
 回答を集計した結果、天気痛の症状の半数以上が頭痛で、次に肩こり・首こり、関節痛が多くなった。性別、年代別では、天気痛持ちの女性の約6割が頭痛の症状があった。一方、男性でも頭痛が最も多かったものの、腰痛と回答した人の割合は女性の約3倍で、性別によって天気痛の症状に異なる傾向が見られた。
 また、年代別では、男性・女性共に若い世代ほど頭痛の症状が多く、年齢を重ねるほど肩こり・首こりや関節痛などの症状の割合が増加する傾向が見られた。60代男性では、頭痛を腰痛が上回り、年齢によって悩まされる症状に変化が生じてくる。

 【発生頻度は平均週2日、約3割は週に3日以上症状あり】
 天気痛の症状はどのくらいの頻度で訪れるのか調査するため「大体、週に何日くらい天気痛の痛み・症状がありますか?」と質問し、週1日~毎日の中から選択して貰った。回答を集計した結果、天気痛の発症は平均週2.2日であった。
 日数ごとの割合を見ると、1~2日で治る人が多いものの、約3割の人が週に3日以上天気痛の症状に悩まされている。

 

【予防方法第1位は「天気予報をチェック」で約半数が実践、「特に何もしていない」トップは徳島県】 天気痛の予防方法について、「普段、天気痛の予防はしていますか?」と質問し、該当する選択肢を複数選択で回答を得た。最も多かったのが、“天気予報をチェックする”という回答で、全体の約半数の人が実践していた。
 次いで“運動・ストレッチ”、“特に何もしていない”と回答した人が多く、天気痛の自覚がある人でも、4人に1人以上が何も予防をしていないことがわかった。回答を都道府県ごとに見てみると、“特に何もしていない”人の割合が最も多かったのは徳島県で、次いで鳥取県、山口県、富山県、石川県と、西日本や北陸が多かった。

佐藤氏


 天気痛ドクターの佐藤純氏は、「天気痛は発症するタイミングを知ることが有効な予防法に繋がるため、天気予報や天気痛予報のチェックは予防に重要である」と指摘する。
 さらに、「天気痛の予防には予報のチェックの他にも、ストレッチや服薬など、色々な対応をセットで行えば有効である。何もしていなかったという人も、ぜひ予防を!」と推奨する。

 【対策方法第1位は「薬を飲む」で約6割が実践、「ひたすら耐える」トップは青森県】
 天気痛への対策方法について、「症状がひどい時の対策は?」との質問では、該当する選択肢を複数選択で回答を得た。集計の結果、“薬を飲む”という回答が最も多く、全体の約6割の人が実践していた。何かしら対策を取る人が多い一方で、約3割の人は痛くても“ひたすら耐える”と回答した。
 都道府県ごとに見ると、痛い時は薬に頼る人の割合が最も多かったのは徳島県で、次いで沖縄県、新潟県となった。徳島県は、予防は“特に何もしていない”と回答した人が全国で最も多かったため、発症してから薬を飲むという人が多いと言えそうだ。
 一方で「痛い時も我慢する」と回答した人の割合が最も多かったのは青森県で、次いで香川県、長崎県となった。
 佐藤医師によると、“横になる”や“ひたすら耐える”という対応は、ADL・QOL(生活活動度)を下げてしまうため、薬を飲むなどの積極的な行動が推奨される。

 【症状緩和策にかける費用は全国平均1814円/月、トップは佐賀県で平均2697円/月】
 天気痛の症状緩和のため毎月どのくらいの出費があるのか調査するため、「天気痛の症状緩和のために、毎月どのくらいお金をかけていますか?」と質問し、“1,000円未満”“1,000円以上2,000円未満”“2,000円以上3,000円未満”“3,000円以上4,000円未満”“5,000円以上”“お金をかけない”の選択肢から回答を得た。
 お金をかけると回答した人を集計した結果、天気痛の症状緩和のための費用は全国平均で1814円であった。都道府県別では、1位が佐賀県で2697円、次いで宮崎県が2533円、和歌山県が2528円、京都府が2337円、秋田県が2238円となった。
 一方、最も出費が少なかったのが高知県で1000円、次いで石川県で1182円、青森県と山形県が1250円、山口県が1286円となった。東北日本海側や北陸で少ない傾向となり、これらの県では天気痛持ちの割合も少なく、そのことが出費の少なさにも影響をしているものと考察される。

 【天気痛の半数以上が「我慢できない」と回答、5人に1人は学校・仕事を休むなど生活に支障あり】
 天気痛の症状の生活への影響度合いを調査するため、「痛みが一番ひどい時はどのくらいですか?」と質問し、“痛いがガマンできる程度”“少し休む程度”“仕事・学校を半日休む程度”“仕事・学校を1日休む程度”から選択して貰った。回答を集計した結果、天気痛持ちの5人に1人が“仕事・学校を半日休む程度”“仕事・学校を1日休む程度”と回答し、天気痛の症状が生活に支障をきたしていることが判明した。“少し休む程度”を含めると、半数以上の人が我慢できない痛みを感じていた。
 性別、年代別に見てみると、女性の3人に1人は生活に支障のある症状を感じている。また、天気痛の症状が最も仕事に支障をきたしているのは30代女性であった。
 佐藤医師によると20代後半~30代が「ガンガンする頭痛のピーク」になる。それ以降は症状が頭痛からめまいや立ちくらみ、眠気などに変化するに伴って、男女共に我慢できる割合が増加してくる。また、“少し休む程度”以上の痛みは医師への相談を検討した方が良い。頭痛専門外来でも、極端な気象が増加に伴い、患者の数がここ2~3年で急激に増えている。「我慢できない痛み」は、一度医師への相談の検討が推奨される。

 【天気痛は2人に1人が雨の日に発症、女性の約3割は曇りの日でも発症】
 天気痛が発症する気象条件を調査するため「天気痛が起こるのはどんな日が多いですか?」と質問し、“雨の日”“曇りの日”“晴れの日”“あまり関係ない”から選択して回答を得た。回答を集計した結果、約半数が雨の日に発症していた。性別では、男性は「半数以上が雨の日に発症している」。一方、女性は「雨の日に迫るくらい曇りの日に発症する人」がいた。また、5人に1人は「あまり関係ない」と回答していた。
 ウェザーニューズ予報センターの天気痛予報担当によれば、女性の方が気圧の変化に敏感な可能性が高く、低気圧本体の接近による気圧低下が始まる前から発生する微細な気圧変動が天気痛に寄与しているものと推測される。女性の方が男性よりも微細な気圧変動を感じやすい傾向があるため、本格的な雨が降り出す前から発症する方が多い。
 一方、男性は、女性よりも関節痛などの症状が多いため、雨による湿度上昇で関節痛が発生し、雨の日に症状を訴える方が多くなると考えられる。

 【一番気にしているのは「気圧」、約8割が症状に関係ありと認識】
 また、痛みを引き起こす気象要素について、「あなたの天気痛には何が一番関係していると思いますか?」と質問し、“天気”“気圧”“湿度”“気温”“風”から選択して回答を得た。回答を集計した結果、約8割の人が“気圧”と回答し、気圧の変化によって発症する人が多いことがわかった。気圧に次いで多かったのが“天気”、“湿度”で、年代が上がるほど“湿度”と回答する人が増加した。
 佐藤医師によると、自律神経が弱くなってくると、気温や湿度も発症に関係してくる。また、年齢を重ねるほど、天気痛の症状が頭痛から関節痛などへと変化していくのに伴い、痛みに繋がる気象要素も変化してくると考えられる。

 

【台風接近時は天気痛持ちの約9割が、天気痛持ちでなくても約1割が体の不調を経験】
 最後に、気圧が大きく変化する台風時の症状について「台風が接近する時に体の不調を感じたことがありますか?」と質問し、“ある”“多少ある”“ない”から選択して貰った。回答を集計した結果、台風発生時は、天気痛持ちの人の約9割近くが「不調を感じたことがある」と回答した。また、天気痛を持っていない人の中でも、約1割が「」台風時の不調」を経験していた。佐藤医師によれば、台風の接近時は特に気圧の変化が大きいため、普段天気痛の症状がない人でも症状が出やすい。また、台風接近時に症状が出る人はいわゆる“天気痛予備軍”として、自律神経が弱まってくると、通常時でも症状が出てくる可能性がある。
 都道府県ごとの傾向では、台風接近時に不調を感じたことがある人の割合は、台風の接近・上陸が多い太平洋側で多い傾向が見られた。台風接近・上陸の頻度が多いほど、大きな気圧低下にさらされる機会が多いため、不調を感じる人の割合も高くなったと考えられる。
 ロート製薬では、これまでも天気(気圧)の変化などによる頭痛に悩無人に向けた「キアガード」(第二類医薬品)や、美と健康の情報誌「太陽笑顔fufufu」など、商品や情報を通じて、気象などにより健康に悩みを抱える顧客の健康をサポートしていたが、今後もこれらを活用しながらより一層顧客の声に寄り添っていく。
 

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