オプジーボ 台湾で食道がんの効能追加取得    小野薬品

 小野薬品は5日、台湾現地法人の台湾小野が「オプジーボ)について、3日に台湾で食道がんの効能又は効果の追加に係る承認を台湾食品薬物管理局(TFDA)から取得したと発表した。対象疾患は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法後に病勢進行が認められた根治切除不能な進行または再発の食道扁平上皮がん。
 食道がんは、食道の内面を覆っている粘膜から発生する悪性腫瘍で、大きくなると深層(外側)に向かって増殖する。食道がんは、主に扁平上皮がんと腺がんの二つの組織型に分類され、台湾では、扁平上皮がんが約90%を占めており、年間約2600人が新たに食道がんと診断され、年間約1700人が亡くなっている。 台湾においては、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法が不応となった食道がんの二次治療において、明確な生存期間の延長効果を示した薬剤がないことから、この患者集団では、新たな治療選択肢が必要とされている。
 今回の承認は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者を対象に、小野薬品およびブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)が実施した多施設国際共同無作為化非盲検P3試験(ATTRACTION-3試験:ONO- 4538-24/CA209-473)の結果に基づいたもの。
 台湾小野は、オプジーボがより適正に使用されるために、安全性および有効性に関する臨床データを集積して、必要な措置を講じていく。なお、台湾においては、2014年7月に同社とBMS が締結した戦略的提携関係に基づき、台湾小野と台湾BMSが共同で販売を促進している。
 ATTRACTION-3試験は、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐の食道がん患者419 例(腫瘍細胞のPD-L1発現を問わない)を対象に、全生存期間(OS)を主要評価項目としてオプジーボ群の有効性および安全性について、化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)を対照とした多施設国際共同無作為化非盲検P3試験である。
 同試験では、病勢進行、もしくは忍容できない毒性が認められるまで、オプジーボ群(210例)にはオプジーボ 240 mg を2 週間ごとに静脈内投与、化学療法群(209例)にはドセタキセル 75mg/㎡を3週間ごとに静脈内投与またはパクリタキセル100mg/㎡を1週間ごとに6週間、静脈内投与し、その後は2週間休薬した。
 同試験の主要評価項目はOS。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)など。

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