特定細胞加工物製造許可取得し臨床用iPS細胞作製開始 アイ・ピース

 アイ・ピース( I Peace 本社:米国、CEO:田邊剛士氏)は15日、厚労省(近畿厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得し、臨床用iPS細胞の作製サービスを開始した発表した。同製造許可は、京都市にある日本子会社の細胞製造拠点で取得したもの。
 同社は、ファナックと共同開発した自動量産技術を用いて、数年以内に年間数千株の臨床用iPS細胞の多種同時量産体制の構築を目指している。多種同時量産体制とは、多数のドナー由来のiPS細胞を同時に一つの部屋で製造することを意味する。
 現在、国内外で再生医療の実用化に向けてiPS細胞由来の細胞を用いた様々な臨床研究が行われている一方で、実際の細胞移植医療の原材料となる臨床用のiPS細胞の作製が可能な拠点は世界的にも非常に限られている。
 細胞移植医療に用いるiPS細胞を作製する施設は、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に定められた基準に適合しなければならない。
 アイ・ピースの強みは、ファナックと共同開発した独自の完全閉鎖系自動iPS細胞作製装置により、多種のiPS細胞株を同時に平行して大量に作製、提供できることにある。iPS細胞株の分化指向性は、臨床研究を進める上で課題の一つであった。
 アイ・ピースは、臨床用のiPS細胞株の選択肢を増やすことで、研究機関等が自身の行う臨床研究に最適なiPS細胞株の選択を可能とし、臨床研究を促進する。
 また、自家移植を実現するためには、多種の臨床用iPS細胞株を同時並行で量産出来るシステムが必要不可欠となる。同社の施設は、iPS細胞を用いた自家移植の実現に大きく貢献するものとして注目されている。
 アイ・ピースでは、ファナックと共同開発した自動量産技術を用いて、年間数千株の臨床用iPS細胞の多種同時量産体制を目指して今後さらに設備増強していく。

タイトルとURLをコピーしました