アビガンの臨床試験および製造を支援 シミックホールディングス

 シミックホールディングスは23日、富士フイルム富山化学が保有する抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の新型コロナウイルス感染症患者を対象とした国内臨床P3試験において、CRO(医薬品開発受託機関)として、モニタリング業務を提供していると発表した。また、CDMO(医薬品製剤開発および製造受託機関)として、「アビガン」の製造を支援することも併せて公表した。
 現在、アビガンは、国内外において新型コロナウイルス感染症の治療薬候補の1つとして、患者を対象とした臨床試験が行われている。また、日本政府は、新型コロナウイルスが世界中で拡大する中、緊急経済対策の1つとして「アビガン」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定している。200万人の数値は、日本感染症学会の「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方」に準拠した、「ファビピラビル」の投与方法(1日目1800mg/回×2回、2日目以降800mg/回×2回、最長14日間)をもとに算出されたもの。
 このような背景の中、シミックグループは、傘下のCROであるシミックにおいて臨床開発を支援する。また、CDMOであるシミックCMOの国内主力工場において「アビガン」を製造し、富士フイルムの「アビガン」の増産に協力する。
 シミックグループは、「新型コロナウイルス感染症に苦しむ人々の医療と健康へ貢献すべく、製薬企業および医療従事者の方々を支援していく」意向を示している。同グループでは、製薬企業のバリューチェーンを網羅する独自のサービスモデル「PVC: Pharmaceutical Value Creator」を駆使し、次の新型コロナウイルス感染症関連業務を展開している。
 ◆新型コロナウイルス感染症に関する治験・臨床研究への主なサービス内容
・治療薬・ワクチンの治験、臨床研究に関するコンサルティング、モニタリング、データマネジメント、統計解析、メディカルライティング、ファーマコヴィジランス、監査・信頼性保証など
・疾患データベース構築・運用
・CRO業務に関する蓄積された経験や知識をもつ専門職人財の派遣
・医療機関における治験、臨床研究のサポート(SMO<治験施設支援機関>として実施)

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