米・キメリックス社と抗ウイルス薬でライセンス契約   シンバイオ製薬

 シンバイオ製薬は1日、9月30日に米・キメリックス社との間で、抗ウイルス薬ブリンシドフォビル(BCV)に関してライセンス契約を締結したと発表した。
 今回の契約締結で、シンバイオ製薬は、キメリックス社から、天然痘疾患を除いたすべての疾患を対象として、BCVの開発・販売・製造を含めた世界全域を対象とする独占的権利を取得した。これにより同社は、事業のグローバル化を推し進めていくとともに、高品質の医薬品供給のための一貫体制を確立し、スペシャルティファーマとしての成長を目指す。
 シンバイオ製薬は、BCVが持つ優れた特徴を生かして医療ニーズが高い造血幹細胞移植後及び腎臓移植後のウイルス性出血性膀胱炎(vHC)とHHV-6脳炎の治療を最初の疾患ターゲットとして開発を進める。
 現在、これらの疾患の治療には従来の抗ウイルス薬が使われている。だが、医療ニーズを満たしているとは言えず、まさに「空白の治療領域」となっており、医療現場では、長年にわたり有効性と安全性を兼ね備えた治療方法が切望されている。
 BCVはシドフォビル(CDV、欧米では既承認・販売の抗ウイルス薬、本邦は 未承認)の脂質結合体として新しい作用機序を持ち、CDVと比べて高活性の抗ウイルス効果のほか、優れた安全性を併せ持つため、広範囲のDNAウイルス感染症(サイトメガロウイルス[CMV]等のヘルペスウイルス、アデノウイルス、BKウイルス、パピローマウイル ス、天然痘ウイルス等)に対して有効な治療方法となり得るものと期待される。 BCV分子の画期性は、CDVに特定の長さの脂肪鎖を結合することにより細胞内への取り込み効率を飛躍的に向上させ、細胞内で直接作用する分子に変換され高い抗ウイルス効果を発揮する。
 さらに、CDVの深刻な副作用である腎毒性を回避できるため使い易く、今までにない新規の高活性の抗マルチウイルス薬である。
 今後、シンバイオ製薬は、BCVの導入により積極的にグローバル事業の展開を図り、日本においての迅速な開発計画の実行と製品化の遂行と同時に、臓器移植の市場規模が大きい欧米市場及び中国市場を含めたアジア地域を対象とした事業展開を進める。
 また、事業価値の最大化を図るべく、対象疾患の地域特性を生かしたパートナーシップも視野に入れた検討を行っており、グローバル事業の展開を着実に推進していく。

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