セルメチニブ 米国で神経線維腫症小児患者対象に承認取得

 アストラゼネカは22日、MEK阻害剤「セルメチニブ」について、FDAが症候性の手術不能な叢状神経線維腫(PN)を有する2歳以上の小児の神経線維腫症1型(NF1)を適応症とする治療薬として承認したと発表した。
 FDAによる今回の承認は、米国国立がん研究所(NCI)の米国癌治療評価プログラムから支援を受け、NCI小児腫瘍科よって実施されたSPRINTP2試験のStratum 1の結果に基くもの。セルメチニブは、PNを有するNF1に対して世界で初めて承認された治療薬となる。
 NF1は、希少かつ難治性の遺伝子疾患で、NF1患者の30~50%は腫瘍が神経鞘内に発生しており、増殖するPNを有している。これらのPNは、外見の変化、疼痛、運動機能障害、気道機能不全、腸や膀胱の機能不全や変形などの病的状態を引き起こす。
 SPRINT試験における客観的奏効率(ORR)は、セルメチニブ単剤を経口投与(1日2回)したPNを有するNF1小児患者群において66%(50例中33例、部分奏効を含む)を示した。ORRは完全奏効または20%以上の腫瘍縮小を評価基準とする部分奏効が確認された患者数から算出している。
 アストラゼネカとMSDは、セルメチニブを世界的に共同開発・製品化する戦略的提携契約を締結しており、2020年の第1四半期には欧州医薬品庁に対して同様の適応症で承認申請を提出している。なお、その他の地域における承認申請も検討中。セルメチニブは、本邦では未承認である。

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