アストラゼネカは26日、イミフィンジが、P3相CASPIAN試験の最終解析ににおいて、同剤と標準治療である化学療法との併用療法が、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の一次治療薬として、持続的かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示したと発表した。
昨年6月に発表されたCASPIAN試験の中間解析において、イミフィンジと標準治療(エトポシドおよびカルボプラチンまたはシスプラチンのいずれかによる化学療法)との併用療法が、標準治療である化学療法群との比較で統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSの延長を示し、1つ目の主要評価項目を達成していた。
なお、今回の解析において、イミフィンジと標準治療との併用療法に抗CTLA-4モノクローナル抗体であるトレメリムマブ(遺伝子組換え)を追加した投与群では、主要評価項目であるOSに統計学的に有意な延長は認められなかった。また、イミフィンジおよびトレメリムマブの安全性および忍容性は、これらの薬剤における既知の安全性プロファイルと一致していた。なお、同試験のデータは、今後の学会で発表される予定。
イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用療法は、P3相CASPIAN試験結果に基づき、ES-SCLCの一次治療薬として米国、ヨーロッパおよび日本で承認審査中。また、米国食品医薬品局はイミフィンジを優先審査品目に指定しており、処方薬ユーザーフィー法に基づく審査期限は、本年第1四半期を予定している。
広範な開発プログラムの一環として、イミフィンジは、P3相ADRIATIC試験において、同時化学放射線療法を受けた限局型小細胞肺がん患者に対する治療薬としても検討されており、その解析データは2021年に得られる見込み。なお、進展型小細胞肺がんに対するイミフィンジの適応は本邦では現時点で未承認である。